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魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第66話 決着、あなたを慕う事
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ヤ・アースライト・クランベルを狙い定める。
全てを乗せて、踏み込み加速をつけて、二槍を振りかぶる。氷の盾という強固な壁を前にただ一撃を構える。
拮抗すること無く、相殺されることのない。一撃必倒を。
空気が破裂する音と共に、全身から血が吹き出した。敵が殺すつもりで来たのなら、俺はそれ以上の不殺を以て貴女を討とう。全身全霊、正真正銘の一撃必殺を、不殺へ転身させたこの一打で。
「絶招、風籟」
『SturmZusammenstoβ.』
狙い澄ました二槍が、盾を砕きその向こうの彼女の中心を捉え、衝撃を貫き通す。瞬間、彼女の体が吹き飛び、ビルへと衝突したかと思えば、そのまま貫通して次のビルへと叩きつけられた。
遅れて貫通したビルが崩壊する。
勝ったとは思えない。コレは不意打ちの果ての結果だから。
負けたとは思わない。コレは全身全霊、魂込めた一打故。
だからこそ―――
「まっすぐ故に道を誤ったんだな」
瓦礫の雨の中で、ビルの壁に埋もれる彼女を見て、気を失ってるのを確認してから静かに目を閉じて、浮遊感がなくなるのを感じて、意識が途切れた。
――sideフェイト――
斬撃の余波で崩れた下の部屋に落ちた響を、憑き物が落ちたように穏やかな表情で、左の頬を私のお腹に向けて、私の膝の上で眠る彼の頭を撫でる。
ついさっき、花霞とのユニゾンを一度解除して、周囲警戒に当ってもらってる。流石に響を放っといて先へ進めむということは出来なかったし。
何というか、我ながら無茶をしたと思う。響が攫われたと言うことで、熱くなってしまったのはある。
二人
(
・・
)
から託されたと言うこともある。
だけど、それ以上に……。
「……取り返せて良かった……ッ」
自然と涙が溢れそうになる。響が負けた映像を見たとき、生死の境に居るのが直感的に分かった。下手をすれば処置を施したところで助けられないほど。だけど、巡り巡って彼は生きて、私達の前に立ちはだかった。
なんて事を、と思ったけれど、それ以上に生きていて良かったと安堵出来た。
そして、こうして無事に取り返せ―――
「泣かないで下さいフェイトさん。勝者が泣いてちゃ締まらない」
「ッ、ぁ、響!」
ゆっくりと目を開けて、スッキリとした表情で私に微笑み向けてくれる。そのまま私の顔に左手を伸ばして、涙を拭って、頬に手を添える。静かにその手を取って―――
「ねぇ響。私は貴方に伝えたい事がたくさんあるんだ」
「はい。なんでしょう?」
「私は響の事が―――」
そこまで言いかけて、私の唇に人差し指の腹をあてられて。
「かっこいい所を見せられ続けらているんです。俺にもいい所を見せさせて欲しいで
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