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魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第66話 決着、あなたを慕う事
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「全魔力を捧げよう。風は嵐に、そして嵐は――」
 
「『神風へ』」

 瞬間。覆ってた瓦礫が、ビルが空へと舞った。空で待機していた13名には奇跡的に―――いや、敢えて当てなかった。魔力の含めない純粋重量のそれは当たれば怪我をさせてしまう。
 それではダメだ。それでは魔法の意味がない。非殺傷を用いる必要が無い。
 空を舞う瓦礫を足場に、直線的に跳ねる。一度、二度、三度と。途中で激突する者を瓦礫の降り注がない場所へと弾き飛ばし、四度、五度、六度と繰り返す。
 一三対一。この絶望的状況下で俺がするべき事は頭を冷静にさせる事。

 だが、冷静になれる訳がない。数の不利に、仇とも言える敵、昔親友を泣かした屑どもがいて、冷静になれるか。

 宙へ舞った瓦礫が地面へ落ち始める。それを踏まえて、七度、八度、九度、そして、十度目を繰り出す。
 振るう双槍は、もはや何人にも止められず。今ならば寸分違わず相手の急所を撃ち抜ける自信すらある。暴風雨のように降り注ぐ瓦礫は、周囲で土煙をあげている。

 全ての力を以て、敵を叩く。

 残り三人。

 後の事など考えない。茶髪のおさげで小柄な、トバイアスに狙いをつけて。右の槍から薬莢を三本吐き出させる。牽制など考えない。狙いは常に一撃必倒。

 故に。

『SturmSpirale.』

 魔力を風に、風を螺旋に。大きく矢を射るように構えた右の槍を突き出すと共に踏み込み弾き飛ばす。間髪入れずに、左の槍から薬莢をもう三本吐き出させる。同時に体が悲鳴を上げると共に、増大した魔力が血管を伝って体内で荒れ狂っていた。だが、それがどうした? 元々負傷を押して出てきたんだ。コレくらい訳はない。

『OrkanSpieβ』

 風を纏った翠の魔光。暴風雨のような槍の連続刺突が、青髪の大男。アチソンに突き刺さる。十度、二十度と瞬間的に放たれたそれが終わると共に、思い出したかのように大男が空へと舞う。ブチン、と何かがちぎれる音と共に、右の視界が赤く染まり、どろりと口から何かが吐き出る。
 しかし、それでも止まるわけには行かない。最後の1人を見定めると共に、二槍を力の限り、鋭く早く振るうと共に、風の刃を生み出し、最後の1人へ撃ち放つ。
 重ねられ1つの翠の魔光となったそれを、最後の1人は、冷気の盾を以てそれを止めた。翠の魔光が防がれ、飛散し風となる。大気の埃を、瓦礫の煙を吸ったその盾は黒ずみ、汚れていたが、その一撃を受け止めたことにより罅が入り、細かい氷が地へと落ちる。

「驚いたわ、ここまでやる、なん―――」

 先の一撃が受け止められることなど想定の範囲内。そうでなくては困る。俺達を、アイツを苦しめたお前がその程度の筈がない。最後の薬莢の一発を吐き出し。盾の向こうの彼女を―――ア
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