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魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第66話 決着、あなたを慕う事
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けばヒビキは勝っていた。だが、それをせずに私を庇い、逆に盾になった。

 その際に言われたんだ。必ず救うからと。少し待ってくれ、と。

 今の今まで殺すつもりで戦っている相手に、だ。どういうわけか胸が暖かくなった、そして、倒された時。いつ死んでもおかしくなくて、それで連れて行ったんだ。
 コイツを死なせては行けないって。そして、ドクターならば確実に救えると考えて」

 そこまで言うと。不意に頭に手を乗せられ、撫でられた。

「……ふふ、響らしい。分かったわ。貴女を信じる」

「コレでいいのか?」

 あまりにあっさりと頷くギンガを見て、逆に怪しんでしまう。

「えぇ。貴女のことは伝えておくわ。ブリッツ、私の回線をチンクへ」

『YesSir.』

 ローラーブーツに内蔵された紫のクリスタルが点滅すると共に、ギンガと通信が繋がったのを確認して。

「何かあれば連絡する。ギンガ、お嬢様をよろしく頼む」

「勿論、チンクも気を付けてね。それじゃあ!」

 ノーヴェと同じエアライナーを展開して、お嬢様が居る場所へ走り去っていくのを見送る。

 さぁ、私も急ぐか。先ずはオットーを気絶させれば、セカン……いや、ギンガの妹達が解放される。その後ノーヴェ達を助ければ、何とかなる。

 行くぞ!



――side優夜――

『インフェルノから連絡がありました。対象二人を撃墜。煌自身も倒れた、と』

「……さすが、やっぱアイツすげぇなぁ」

 近くにいないからこそ、素直に称賛の言葉を漏らす。別にアイツを認めないわけじゃない。俺の実家の流派をベースに、様々な動きを合わせて我流の道を突き進むアイツは、心から敬意に値する。
 
 そして、何よりいちばん身近な超えるべき壁だ。

 槍、棒、剣、弓、忍、体、これらの術をバランス良く取り入れて、なおかつ対応出来うるという事は素直に凄いし、やはり才能なんだろうとさえ思う。
 接近戦しか出来ない、とアイツは言うけど。その意味は、自身を派手な見せ札として戦場で目立たせる為だしな。

 だけど、アイツの本質を考えるとそれは大きな間違いだ。普段が騒がしいけど、アイツの根元は静かに燃える奴だ。俺なんかの数倍も冷静なやつだし。

 さて。

「……アイツの配下の管理局員の数は10人。ゴリラと付添合わせりゃ12人。そして、元三佐を入れりゃ13人、か。俺にやれるのかね?」

『ならば諦めますか? 数の利では不利ですし』

「いや」

 そんなわけあるか。と続ける前に、シルフが嬉しそうに笑う。デバイスの身なのに、まるで人のように。自然と。

 同時に自分が恥ずかしくなる。デバイスとて、武器が心を持つことを、なのに。と捨てたことを。だからこそ。

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