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魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第64話 話したいこと、閃く凶刃
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「うん、まだまだ隠してる手札がありそうだしね。お兄ちゃんの言ってたとおりだ。まだ上があるって」

「うん。だから……もっと詰めていこうか、なのは!」

「うん!」

 いつの間にか隣に来ていたなのはと共に構える。まだまだコレは、オープニングなんだから!


――side優夜――

「……あー、ウザってぇ」

「そう言って捌いてみせたのは、嫌味にしか聞こえませんよ?」

 向こうでぎこちなく笑う元三佐を睨みつける。嫌味にしか聞こえないじゃなくて嫌味で言ってんだよ察しろってんだババァ。
 
 数百本の氷のナイフの包囲を何とか迎撃。と言うより、全部吹き飛ばしたというのが正しいか。自分を中心に魔力で風を渦巻かせ、それを加速。瞬時に竜巻の壁を形成し、何とか取り囲んでいたものの大半を吹き飛ばした。

 だが。

「わずか数本しか届かないなんて、笑い話にもなりやしない」

「言ってろ」

 右肩、左脇、左のふくらはぎにそれぞれナイフが刺さり、凍結している。今はシルフが凍結を止めてくれているけれど……これ以上受けるわけにはいかない。

 二槍の切先を向けて、腰を落とす。先程までは迎撃してたが……今度は。

「シッ!」

「!」

 踏み込んだと同時に、元三佐が飛ぶように後方へ下がる。だが、それよりも俺のほうが速い。
 大きな白い鎌のようなツルハシが閃き、幾度も繰り出される剣筋。それを両手の槍で迎撃。

 今一度驚いた。こちらが攻め込んだにも関わらず、それ以上に攻めて、こちらに迎撃しかさせないこの人の技術を。こちらが手負いで、右が若干遅れているとは言えだ。すべての攻撃が僅かに体に掠り、痛撃となり得る攻撃のみを捌く。
 白兵戦においては、シグナムさんや、煌、響達よりも下だろう。だが、使いにくいその獲物を使って一撃一撃を重く、連動、繋げてくるというのは素直に敬服する。

 丁寧な戦術だ。しかし、正しすぎて、お手本になるような戦術だ。長物を使う攻撃としては、連動させることに意識を向けて、それに集中しすぎている。事実痛撃になり得る攻撃の分かりやすいこと。全ての動きを繋げて、少し強い一撃を叩き込むが、それ以上の打撃が出来ないんだ、この人は。

 だからこそおかしい。こんな真っ直ぐな技術を持った人が何故、俺達を貶めたのか。そして、何を思って裏切るという道を取ったのか。それが分からない。

 地上本部に置けるSランク魔導士なんて、地上の人の憧れだろうし、実際ファンクラブもある。未だに元三佐はスカリエッティに誑かされて、裏切ったという人も多いしな。

 だが。

「往くぞシルフ。わかったな?」

『えぇ、勿論ですわアリス』

「攻めてきておいて守りに徹してるくせに何を言う!」

 
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