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魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第64話 話したいこと、閃く凶刃
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 ―――どれだけ綺麗事を並べようと、私達が使うこの技術は人を斬るために存在しているものだよ。
 
 俺に技を教えてくれてる時、母さんは……いや、俺の師は厳しかった。初めて本物の刀を手にした時、重いと感じて、それ以上に冷たい物だと思った。
 効率よく人の命を奪い、終わらせることが出来るもの。命を容易く絶つ物の重さ。

 だから、教えは厳しかったし何度もやめようと思った。でも、刀を使う母さんは本当にかっこよくて、ああなりたいと心から願ったから辞めずに続けていった。

 そしてある時。戦術を教えてもらっている時に、目がさめるような事を言われた。

 一対一なんて、決闘なんて、基本的に出来るなんて思わないこと。魔法世界において、そんなものは理想論。戦いになれば……強大な魔力を持った者同士が戦えば土地は荒れるし、結果的にも直接的にも人は巻き添えになる。
 場合によっては関係ない人を盾にするって方法もある。だけど、それは仕方ないこと。相手の卑怯はこちらの理想を取ってくれることなど無いのだから。
 
 だからこそ、知りなさい。
 
 相手がどれだけ卑怯で人道に反する方法を取ってきても、それに対抗出来て、抑制出来るように。私が教える技術はそれらを跳ね返せる様にする力。だからこそ人は始めてこう言えるんだ。

 俺達は卑怯な手を使わないし、使わせない、と。

 

 故に、あの敗北は―――俺のミスなんだ。

 
――sideフェイト――

「……奏?」

「ん、なんでしょうフェイトさん?」

 ケロッとした表情で私と視線を合わせる奏を心配する。間違いなく涙を流したはずなのに……。

「ううん、なんでもない。一緒に響を助けに行こうね?」

 そう言うと一瞬驚いた顔をして、ゆっくりと。

「いいえ。私の役目は時雨と紗雪と共にガジェットの迎撃です。助けに行きたいのは山々ですが……航空隊が来るまでは抑えなきゃいけない。かと言って来るのを待っていたらそれだけ時間も無くなってしまいます」

「え……で、でも!」

 困ったように笑いながら彼女は言う。この子の想いを知っているから……きっと誰よりも助けに行きたいはずなのに。

「それに……もうその資格が私には無いんですよ。紗雪! 中に何枚入れてきたって言ったっけ?」

「転移札をとりあえず三枚。ただし射程限界だから、行くなら直ぐに行ったほうがいい」

「だ、そうですよはやてさん?」

「ちょお待って。考える」

 奏が直ぐに紗雪に確認を取った後、それを踏まえてはやてが考える。だけど3枚ってことは……。

「外周警戒は私と時雨、紗雪。そして……ええんやね奏?」

「えぇ。どちらにしても3枚ですし、何より……狭い場所より開けたここ
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