暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第63話 開戦と凶報
[1/14]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話


――sideフェイト――

「フェイトさん!」

 一通りの作戦会議が終わって部屋を出ようとしたところを、よく知った二つの声に呼び止められた。
 振り向けば、そこには愛おしい二人。

「どうしたの? エリオ、キャロ」

「えっと、その……」

「あの……フェイトさんもそうですけど、スカリエッティの所になんて心配で」

 ……ああ、そういうことか。やっぱり私も、二人に心配をかける事になるんだな。

「大丈夫。私だけじゃなくてなのはやヴィータも、はやてだっているもの」

 安心させるつもりで言ったんだけど、二人の顔は晴れない。それどころか、どんどん心配そうな顔になって……。

「でも、フェイトさん……」

「昨日からずっと……苦しそうな顔をしてます」

 ビクリと体が反応してしまう。参ったな、2人にまで言われちゃった。

 苦しそうな顔をしてる。っていうのは、色んな人から言われてる。なのはは勿論、はやてやヴィータ、シグナムから。
 響が倒された時も、奏達が堕ちた時も、その後居なくなった後も……いや、それはきっかけだ。自覚してないところで、感情が表に出てしまった。私が遅かったから皆居なくなった。なんて、身勝手な思いに押し潰されて。

「そうだね。響が倒された時も、六課を守護してた皆が倒されたことも。一番近くで落された奏を救えなかったことを私は後悔してる」

「フェイトさん……」

 でも、奏に言われたんだ。後ろを向いて後悔することよりも。前を向いて次を、その先を見つめないといけないって。

「だから、響とヴィヴィオを取り戻せばきっと皆も帰ってくる。スカリエッティを止めた後、皆で言おう。お帰りなさいって」

「はい!」

 ギュウッと2人を抱きしめる。本音を言うと2人も心配だ。だけど、この2人ももう心配は要らないはず。なのはがヴィータが育ててるんだ。もう大丈夫だ。

「それじゃあ、二人共気を付けてね?」

「はい!」「いってきます!」

 駆け足で離れる2人を見送る。あぁ、情けないなぁ……私の方こそ2人に声を掛けなきゃいけないのに、逆に励まされちゃって。

「……フェイトさん今いいですか?」

「シャーリー。ブリッジを離れて平気?」

 入れ違いで入ってくるシャーリーを見てちょっと驚く。出撃前の私達も忙しい。でも、ブリッジの皆は今も情報収集や、それぞれの連絡を受けたりで大変なはずなのに……。

「いえ、直ぐに戻ります。ですけどその前にこの子を連れて行ってほしくて」

 そう言ってシャーリーの後ろから小さな影が現れて、私の顔の近くまで上がってきた。それは白い着物に、赤い袴。肩に掛かる程度の黒髪、灰色の瞳の小さな……。

「……この子って」

「改
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ