第百十九話 ナイル川へその八
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「自分達に相当な練度があってな」
「敵はそれはいいがな」
「よく訓練されていてな」
「動きのいい船で出来る」
「敵はそれもあるな」
「そして相手がだ」
ここでは自分達のことだ、芳直は久志に言葉の中に入れて話した。
「練度が未熟で連携も出来ていない」
「そうでないとか」
「出来ない、つまり相手の質が自分達より上か互角ならな」
「勝てない戦術か」
「それがあの戦術だ」
ネルソン=タッチだというのだ。
「まさにな」
「それは敵の誤算か」
「そうだ、ではこのままな」
「その誤算に乗ってか」
「戦っていく」
「そうするか」
「そしてな」
そのうえでというのだ。
「ここはな」
「倒していくな」
「敵を少しでも多くな、ただ」
ここで芳直は目を鋭くさせてこうも言った。
「敵も危うくなるとな」
「そうなるとやっぱりな」
久志もそこから先はわかっていて言う。
「退くよな」
「そうだ、だがな」
「出来るだけだよな」
「ここで敵を叩く、軍船もな」
「分捕るな」
「そうもしたいからな」
だからだというのだ。
「ここはな」
「追撃もか」
「する、いいな」
「ああ、じゃあな」
久志もそれをよしとしたがそれは後のことだった、今彼等は敵をとかく叩いていた。そうして敵の損害が二割を超えようという時になり。
敵の三列縦隊の艦隊が一斉に主舵を取った、それからだった。
反転しだした、それで芳直は久志に言った。
「いいな」
「ああ、ここはな」
「追撃だ」
「それに移ってな」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「敵をより多くな」
「叩いてな」
そしてというのだ。
「損害を与えてな」
「敵の戦力を削ぐな」
「後はアレクサンドリアの軍港を封鎖してな」
「もう水軍が出られない様にしてな」
「これから街もだ」
三角州のそこをというのだ。
「一つ一つ攻略していこう」
「そういうことでな」
二人で話してだ、実際に芳直は撤退に移った古王国水軍を追ってそのうえで彼等により損害を与えた、この時に敵船に接舷して剛が率いる歩兵達が乗り込み。
船の兵達を倒し船を分捕る様なこともした、そうして十隻程の船も手に入れたところで追撃戦も終わった。
そしてだった、その後で。
芳直はアレクサンドリアに湖上封鎖の軍船を回したうえで残った軍船達を三角州の街々の攻略の補助に戻した、それでだった。
街は再び順調に攻略出来た、それでだった。
次第にアレクサンドリアに迫った、久志はその街丁度自分達が湖上封鎖をしているその街を見つつ言った。
「あの街を攻め落としたらな」
「その時はよね」
「ああ、もう三角州掌握はな」
今の戦略目的はとだ、双葉に話した。
「終わるからな」
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