第百十九話 ナイル川へその六
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「これを抜くか」
「そうしてか」
「ああ、戦うか」
「そうだな、だがそれはだ」
「最後の最後だからな」
「神器を使うのはな」
それはというのだ。
「本当にな」
「出来るだけな、俺のポリシーでな」
「モンスター相手ならともかくだな」
「言うなら核兵器だからな」
自分が持っているレーヴァティンはというのだ。
「そうそうな」
「使わないな」
「ああ、そうそう使ってたら」
「力が絶大なだけにな」
「軍勢を倒すだけじゃないからな」
「その場も燃やし尽くすな」
「何もかもな、そんなのだからな」
戦で使うことはというのだ。
「出来るだけな」
「しないんだな」
「ああ、それでな」
「レーヴァティンを抜くことはか」
「そうそうしないさ、だからこの戦いもな」
古王国との湖戦でもというのだ。
「今はな」
「抜かないな」
「とりあえずはな、戦術で戦うな」
「わかった、ではそうして戦おう」
「お前もそれでいいんだな」
「出来るだけ敵の軍船が欲しい」
これが芳直の考えだった。
「そしてだ」
「水軍の将兵もな」
「すぐに多くな」
出来るだけというのだ。
「欲しい、後の戦で戦力にしたい」
「だからか」
「それでだ」
「俺がレーヴァティンを使うとな」
「勝つことは絶対だが」
それでもというのだ。
「しかしだ」
「出来るだけだよな」
「水軍は欲しい」
今から戦う彼等がというのだ。
「だからだ」
「それでだよな」
「今からだ」
「開戦か」
「敵は大砲もあるが」
「思ったより少ないな」
「軽い小型の船が多い」
見れば実際にそうだった、古王国の軍船達は。
「だがそれに対してだ」
「俺達の船は大型でな」
「そして大砲も多くな」
「術を使える奴も多く乗り込んでるな」
「そこが利点だ、だからな」
「火力を使って攻めるか」
久志は芳直に問うた。
「ここは」
「そうする、ではな」
「ああ、これからな」
「戦闘開始だ」
こう言ってだ、芳直は艦隊を敵の水軍に向かって半月状に組んでそうしてだった。敵が来るのを待った。敵は三列縦隊で近付いてきて。
そのまま突っこんで来た、剛はそれを見て言った。
「あれっ、ひょっとして」
「こっちに突撃してきてだな」
芳直は剛にすぐに答えた。
「そしてだ」
「こっちの戦列を分断してそうして」
「左右の甲板の大砲でだ」
「撃って来るつもりだね」
「そうしてくるな」
芳直は剛に強い目で答えた。
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