『ルイズが召喚したのが、イワークだったら?』
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最初は、複数の岩が固まった岩山だと思った。
だが、違った。
他の生徒達から嘲笑を受けながら、渋々ルイズがコントラクトサーヴァントの儀式を行おうとしたとき、ガラガラと、音を当ててそれが動いたのだ。
それは、岩のヘビだった。
1本の角があり、両目があり、口がある。くねった身体の節々がひとつずつが岩だ。尻尾にさしかかるにつれ小さくなる。
ルイズがぼう然としていると、その岩のヘビが、ゴオオオ!っと低い鳴き声を上げ、全身が岩で出来ている尻尾をルイズに振り下ろそうとした。
コルベールが咄嗟に魔法でルイズを跳ばし、回避させた。ルイズがいた位置に、大きな尻尾が振り下ろされ土煙が上がる。
岩のヘビがギロリッとコルベールを睨むと、口をパカッと開けて、岩を猛スピードで吐き出した。
コルベールは、横へ転がり吐かれた岩を避ける。
直後、岩のヘビに無数の氷の矢が当たり、岩のヘビが苦しげに鳴き声を上げた。
タバサが杖を手にしており、今だと言った。
ズドンッと倒れ込んだ岩のヘビに向かい、ルイズは急いでコントラクトサーヴァントの儀式を行い、その口にキスをした。
ルーンが刻まれる痛みに、岩のヘビが悶え苦しみ、その巨体が大きく動いたことでルイズは跳ね飛ばされ、そのまま意識を失った。
次の目を覚ましたら、ルイズは保健室にいた。
身体の節々が痛いが、そういえばあの岩のヘビはどうなったのかが気になった。
そこへコルベールがやってきて、身体はだいじょうぶかと聞かれ、身体はまだ痛いがだいじょうぶだと答えた。
岩のヘビはどうなったのかと聞こうとしたとき、地響きが聞こえた。
今のは?っと聞くと、あの岩のヘビが動いている震動だと答えられた。
ルイズは、痛む身体を押して外へ出ると、広場を占拠するように岩のヘビがいた。
岩のヘビは、ルイズを見つけると、ガラガラと音を立てながら顔を近づけてきた。ルイズは、咄嗟に身構えると、岩のヘビは、ルイズの細い身体に鼻の先を擦り付けてきた。
すると、い、イワーク!っと驚いている声が聞こえた。
見ると、洗濯物籠を落としているひとりのメイドがいた。
捕まえて話を聞くと、シエスタというメイドは、この岩のヘビについて知っているらしかった。
岩のヘビの名は、イワーク。
タルブの近隣にある岩山を住処にしている、珍しい生き物なのだとか。
かつて曾祖父が飼育していたこともあり、シエスタは、少しだがその生態を知っていると答えた。
地面を高速で掘り進み、硬い物を食べて身体を丈夫にする生態があり、年を取ると身体に丸みが出てくるのだとか。
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