『ルイズが召喚したのが、メリープだったら?』
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その生き物は、小さな羊だった。
尻尾が長く、耳と顔と、尻尾の部分だけ毛が無い。尻尾には黒と黄色の縞模様がある。そして尻尾の先端に丸いモノがついている。変わった羊ではあった。
なーんだ、羊かぁっとガッカリしつつ、ルイズは、コルベールに促され、コントラクトサーヴァントの儀式を行った。
あとは、キスだけとなって、羊の身体に触った瞬間。
ビリっ!
っと、なり、ルイズは、痺れ、倒れた。
しかし幸いなことに、口がそのままルイズを見上げていた羊の口に当たり、それでルーンが刻まれたのだった。
身体の全身が痺れ、ピクピクしているルイズを、慌てたコルベールが助け起こし、そのまま保健室に搬送。
羊は、メーメー!っと鳴き、ルーンが刻まれる痛みに地面を転がっていた。
その後の調べで、この羊…、なぜか電気を持っていることが分かり、ルイズが痺れたのは感電が原因だと分かった。
一見フワフワの毛並みは、静電気によって膨らんだ物であり、怒ると倍以上に膨らむ。
そして下手に触ると、ビリッ!となる。
羊のくせになんて恐ろしい!っと、ルイズは思った。
メリープだぁ!っと驚いた声を上げたメイドがいた。
シエスタというメイドだったのだが、知っているのか聞くと、彼女の故郷の近隣に棲む、珍しい生き物なのだそうだ。
ところが話を聞いていると、一見羊だが実は羊ではないらしい。
二段階ほど成長する特性があるのだが、最終的には、デンリュウというすべての体毛を失った竜の一種になるというのだ。
竜と言っても、正確には竜ではなく、翼はなく、鱗もなく、鋭い爪も無い。だが尻尾の先端の球体から遙か遠くまでを照らす光を発することができ、迷ったモノを導くと言われているそうだ。
ルイズは、それを聞いてびっくり。
まるでおとぎ話に出るような、妖精のような不思議な生き物みたいじゃないかと。
ビリビリとする迷惑な羊だと思ってたが、シエスタの話を聞いて見方を変えたルイズは、ビリビリしないよう気をつけつつ、メリープの世話に勤しんだ。
その甲斐あってか、メリープは、ストレスが少なくなり、ビリビリすることが少なくなった。
メリープは、戦いに関してはとても優秀だった。
発電能力を持つため、電気による攻撃を得意とし、ルイズをゼロだと難癖付けてくる相手を感電、痺れさせて撃退。
成長してモココという形態になると、毛は少なくなり、2本足になる。
シエスタいわく、成長の過程で発電力が高まるため、毛が少なくなるそうだ。
つまり、デンリュウともなれば……。
ルイズは、ゴクリッと息をのんだ。
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