暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第60話 敗戦と次への決断を
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と足を戻しまして……。そっと、布団を持ち上げて自分の服を見て。かぁっと、顔が赤くなる。ワンピース型の入院服を着ているが、一番の問題が……着けてない。

 下着を着けてない……。

 しかも、入院服は丈は短いし……なんか色々な場所が、繋がれてて……、一際太い管が、足の付根についてるのを感じて……oh……。

 色々恥ずかしくなって顔がさらに赤くなる。
 
「奏!」

「ひゃぁああ?!」

 すぱぁん! と扉が開いて、思わず悲鳴を上げてしまい、咄嗟に下腹の部分を抑える。恐る恐ると音の方へ首を向けると。

 直ぐそこまで、黒い影が来て……って。

「きゃああああ?!」

――――

「……先輩。私が起きたって連絡受けて来てくれたことは嬉しいんですが。私自身色んな管がついてるんですよ? 変な所に刺さってるものも多いですし、流石に危険なので抱きつくのはちょっと……」

「……ごめんなさい」

 とりあえず看護師さんに色々管を外してもらって、明日には一般病棟に移る手続きを取った。私自身、氷漬けになったとは言え、言い換えればそれだけだし、これと言った負傷も無かったらしい。

 まぁ、低体温症で、ヤバイ状況だったらしく、一度血液抜いて温めて輸血っていう、手段を取った関係で私は集中治療室に居たらしいしね。

 だけど今晩はここでお泊り……なんだけど。フェイトさんから、六課が敗北したこと。そして、3日も眠っていたこと。そして……。

「……そうですか。そんな風に(・・・・・)捉えてるなら、とりあえず一発殴らないといけませんね」

「え゛!? いや、え、待って……。でも」

「もしかして……先輩()思ってたりします? 自分がもっと早ければとか。自分が遅かったから私が堕ちたとかって考えてませんよね?」

 ……ジトーっと睨むと、申し訳なさそうに視線を落とす。

 すすすっと、フェイトさんの座る場所まで体を寄せて、ぽんっと、肩に手をおいてにっこり笑う。わからないと言った様子で私と目を合わせる先輩を……

「いひゃいいひゃい! かにゃで! いひゃい!」

「センパーイ? 驕ってんじゃないですよー?」

 ぎりぎりと力を加えていく。病院に上官も何も有るもんか。知らないし。

 ぱっと手を離してあげると、両頬を擦る先輩を横目にため息を吐いて……。

「もう一度いいますよ。驕らないで下さい。私が堕ちたのは伏兵に気づかなかったことです。確かに速く来てたら結果は変わったかもしれません。
 だけど、それはもう過ぎたことです。私も、貴女も、ギンガもそうです。次に何を成すか。そうでしょう?」

 先輩の両頬に手を添えて伝える。言いたくないことだけど……敗けてしまったこと、それはもう覆らない。

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