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魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第60話 敗戦と次への決断を
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かってそれどころじゃない。
何か大切な事を忘れてるような……そうでもないような。
さくっ、と雪を踏みしめる音が聞こえて、その方を見ると。
「 」
「え?」
灰色のローブを纏った、よく知った顔の女の子……震離がそこに居たんだけど。パクパクと口を動かすものの、声が聞こえない。白い吐息が出ていることから呼吸は出来てる……はず。という事は口パクかな?
「震離? 何言ってるか聞こえないよ? なあに?」
少し離れた場所にいるせいなのだろうと、無理やり結論づける。それならば近づけばいいと思い、足を進めるが……。
全くもって近づけない。物理的な距離があるから? それとも震離が動いているから? それはわからない。
けれど、近づけないことが怖くなってきて、徐々に駆け足になっていく。
「震離!」
「 」
悲しそうに何かを呟いた後、背を向ける。
待って、行かないで、と声を掛けたくても何かに阻まれるように声を出せなくなる。
いくら駆けても追いつけない、それどころか歩き出した震離から離される一方だ。途中で足がもつれて倒れてしまう。
すると、それに気づいたのか、驚いた表情でこちらを振り向いて……こちらに寄ってこようとしたけれど、ギュッと左手を胸のあたりで握って再び背を向けた。
何で? 待ってよ、震離?
そう声を掛けたかった。だけど―――
「……ごめんね。もう一緒に行けないんだ」
「……え? なにそれ、どういう……待って、ねぇ! 震離!!」
そこで意識が途切れた。
――side奏――
「――っ!?」
目を覚まして、開いた視線の先に見えた白い天井を見て……。何処ここ? 六課の医務室かと思ったけど、違うみたいだし……。
体をゆっくりと起こすと、あちこちが痛い。バラバラと体から何かが剥がれ落ちていくのを感じながら、ベッドの上に座る。
ぼーっと、俯いてるとふと気づく。頭がやけに軽いなと。なんとなく後頭部に手を伸ばして直ぐに気づいた。腰のあたりまで伸ばしてた髪が、バッサリ切れて短くなってることに。これはショートボブくらいかな?
はて、髪なんかここ数年切った覚えはない。だけど何で……。私は一体?
そこまで考えて、思い出した。
そうか、私は……元三佐に敗けたんだ、と!
「……それにしても」
ふと、窓の外を見ると。とっぷりと日が沈んでいる。間違いなく暮れて数時間とか言う話ではない。だけど、だけど圧倒的に情報が不足してる。
というか、そもそもここは何処だかわからない以上。情報を集めないと!
そう考えてベッドから抜け出して。目が丸くなった。自分の素足が見えて、ゆっくり
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