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魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第60話 敗戦と次への決断を
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だがねぇ」
「映像はお見せした通り。下手をすればヌルは斬られていました」
あの日の映像を見せつつ、最後の判断を仰ぐ。クアットロ達はどうせ出来損ないのシュバルツのようにしかならないから必要ないと言い放った。
だが……。
「ヌルの癇癪が原因とは言え、チンクを助けてくれたお礼を兼ねよう。ヌルと渡り合ったのなら、調整如何によっては使えるだろう。彼女らの前に出してやれば少しは効果が出るだろうし」
ピクリと、体が震えたような気がしたが……いや、気のせいだ。
「……ドクター。感謝する」
小さく頭を下げて、部屋を後にする。そうして向かう場所は。
「……何故お前はあの時私を庇ったんだ?」
返事がないのはわかっている。それでも……何度も声を掛けてしまうんだ。医療ポッドに眠る黒髪の男に……名前は確か。ヒビキとか言われてたか。
不意に扉が開くのを感じて、振り向く。
「……なんだ。シュバルツか。
今日も
(
・・・
)
来たんだな」
「……お主も来てるではないか。ノーヴェ殿もウェンディ殿もよくここに来てはお礼を言っている。姉を助けてくれてありがとう、とな」
「……失敗したんだ。ああなっても仕方ないさ。すぐに直せるんだからな」
……普段は煩いほどの男なのに、何故か運び込まれたヒビキの前だと静かになる。確かアグスタの時から因縁が有ると言ってたはずだが?
「不思議なものだ。この侍が運び込まれた時……拙者は確かに喜んだ。コレで死合が出来る。あの日の決着を果たせると。
だが、現実は違った。拙者は嬉しかったんだ。この侍が生きていたこと。それが……。アヤ殿も喜んでいたがあれは歪んでいる。ライザ殿は興味ないそうだがな」
「そうか」
コイツの言うことは全く意味が分からない。2年前からそうだ。死に体で運び込まれた所をドクターがシュバルツプランとやらの実験に、様々な機能を組み込んだ結果このような性格になった。
気取ったような古い言語に、無駄に熱くなる性格で、独自判断で動く出来損ない……だが。
「気が合うな。私もそうだ」
「そうか。始めて合ったな……さ、ヌル殿のところに行かれよ。またノーヴェ殿とウェンディ殿と模擬戦という名の一方的な戦いをしている」
「チッ」
思わず舌打ちをしてしまう。妹2人がヌルに食って掛かるのは以前もあった。だが、ここ最近は私ごと攻撃した事に激高して仕掛けるようになった。
姉妹に感情が生まれたことはたしかに嬉しい……だが。
「すぐに行く。あぁ、後は……ドクターが治すと言ってくれたよ。それだけ」
「そうか。ならば良し! 完治したその後は……久しぶりに此奴と話そう。共に肩を並べるのは
久しい
(
・・・
)
からな!」
……またコイツ
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