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魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第59話 その日、機動六課
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 さっきからこれの繰り返し。幻術と、不可思議の速度を織り交ぜた、効率よく人を殺すための技術。これのせいでかなりのダメージを負ってしまったんだ。

 だが、今のこれは不味い。直ぐに体を動かさないと。いくら考えてもいくら体を動かそうにも、手ぐらいしか動かせない。

 不意に空が淡く輝く。耳鳴りがする。気を抜いてしまえば即座に押し潰されそうなほど強大なプレッシャーに体が震える。

 眼前の空に輝くは淡い紫の星。全てを飲み込まんとするようなそんな光。

「……ちっくしょう」

「久しぶりに楽しかったわ。さようなら」

 紫色の光が、臨界点を迎える。光の放流が、雪崩のようにこちらに迫ってくるのが見えて―――


――side時雨――


 訓練スペースの方から、大きな音が聞こえた。即座にそのポジションで防衛ラインを敷いていた人物へ、煌へと連絡を入れる。

「煌! 返事をして、何があったの!?」

 ノイズが入って通信ができないとわかっているのにもかかわらず声を荒げてしまう。もしかしたら通信が回復してひょっこり声を掛けてくれるかもしれない。

 反対側では優夜が押してるとさっき連絡があった。ならば、直ぐに優夜を動かせば……いや、それでは唯でさえ押されてるラインに更に穴が開く。

 その上……!

「たった三人でよく頑張った。だけどそれも、もう終わり。僕のISレイストームの前では抵抗は無意味だ」

 体にフィットしている蒼のボディスーツにズボンと上着を着ているだけの装備の子がそう呟く。その子が手を上にかざすと、今まで見たこと無い魔法陣が浮かび上がった。

 これは……いけない!

『時雨!』

「勿論!」

 シャマル先生の声と共に即座に魔法陣を展開し。六課に向けて打ち出された翠の閃光を防ぐ。二人がかりでもこの圧力……本当に勘弁してほしい。
 唯でさえ少ない魔力がどんどん削られていくのが分かる。だが、これを乗り切れば―――

「―――二人がかりなんて、相手は単騎ですよ?」

 突然頭上からの声に、集中力が乱れる。真上を見上げると巨大な魔力刃を天へと掲げながら急接近。そして、そのまま一気に振り下ろしてくる。

「くっ!」

 咄嗟に両手に持つリボルビングライフルを、頭上で交差させてそれを受ける。だが、叩きつけられた一撃は重く、膝が曲がってしまう。防御魔法を向こうに回してるせいで、こちらに張ることは出来ない。今それをしてしまえば、すべての負荷がシャマル先生に向ってしまう。

 そこで気づいた。いや、見えてしまった。右手一本で杖を構えて、空いた左手には一本の長いライフル。その先端に今にも放たれようとしている紫の淡い光の玉が。

 どうする? ここで防御を私に回すか? それと
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