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魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第59話 その日、機動六課
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揺れてしまった。急激に意識は混濁していくにも関わらず。
上着を左手で捕まれて上体を持ち上げられる。そのまま、空いている右拳が腹部へとねじ込まれて。
「あ……はっ!? ぁあ――」
そこから連続で顔、腹部、胸部へと拳が飛ぶ。衝撃から逃げようにも上着を捕まれていてそらせない。衝撃を流すことも出来ない。
「……こんなものか。つまらない……なっ!」
そして、トドメと言わんばかりに、上着から手を離したと思えば、左腹部に一際大きな衝撃を与えられ、そこで意識が途切れた。
――side煌――
銃を槍のように扱い、杖には魔力刃を取り付け剣のように扱うその様は。何というか流とは違って効率よく人を殺す為のものだと分かる。やりのように突き出したかと思えば発砲。刃を振り下ろしたと思えば、鍔迫り合いになった直後にわざと暴発させ、衝撃を与えてくる。
嫌らしいことこの上ない。
だが、これらはあくまで格闘戦の延長。だからこそ対処はできる。
一番の問題は……。
「……5年程度じゃ図れない。とは思ってたけど……アンタのそれは一体何だ?」
一撃一撃は重くはない。全然受けきれるし捌ける。だが、一番の疑問点が攻撃の連動。その速度だ。
響のように加速減速の様な物でもなければ、フェイトさんや優夜の様な元々速いタイプとは違う。
明らかに挙動が早すぎる。空気抵抗や重量等を無視した高速駆動。何というか、まるで映像を
早送りしている
(
・・・・・・・
)
ようにみえる。それに加えて高速移動の術式を用いてるせいで、まるで一瞬消えたようにも見える。
格闘技術なら五分に持ち込める。だが……。
「フフ、ここまでギアを上げているにも関わらずまた持ちこたえるとは、私もまだまだねぇ」
それに気づくまでにダメージを負いすぎた。これだけでも厄介だと言うのに更には……。
「ッ!」
正面に立つ老婆とは真逆の背後から刃が現れ、それを左に飛び込む様に回避。
だが、その後の追撃……銃口を向けられてることまでは気づかずに。
「ファイア」
その声とともに、鈍い紫色の閃光が奔った。
「ぐ、あああああ!!!」
背後から砲撃をまともに受けて訓練スペースの施設へと叩きつけられる。
バチバチと機材からスパーク音を聞きながら、震える体を持ち上げようとするが、体が痺れてそれどころではない。
そして、何よりも
また
(
・・
)
やられた。砲撃を叩き込まれた時とほぼ同じタイミングで、正面から単発の二連射撃。一発目は頭、二発目は心臓を目掛けれ撃たれたそれを、ギリギリで回避した結果、一発目はなんとか首を振って躱せたが、二発目は砲撃を受けながらもギリギリで体を捻ったことで肩に逸れた。
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