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魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第57話 賽は投げられる
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私はその前の時代を知らない。
「……ふん、いいか空曹? 今回のことでそれが明るみとなる! お前は裁かれるんだ!」
「……そういうのは裁判所で行われることですよ。こんな日にわざわざするとは思えませんが?」
「黙れ。だが、まあいい。俺達のアヤさんが戻ってくるかもしれないんだ。精々首を洗って待っておけ!」
「加えてもう一つ。未だにその程度の実力でしたらさっさと地球とやらの辺境の世界に帰るとよろしい。田舎者なぞ、管理局には不要、だ!」
准尉が吐き捨てるように背を向けたと思ったら、今度は曹長が倒れてる響の顔を蹴り飛ばして、その場を離れていった。
あまりのことに私はしばらく呆然として、響が起き上がったあたりでようやく。
「響!」
「ん、あぁ。ゴメンなかっこ悪い所見せちまったね」
口の端から血を流しながら、にひゃりと笑う響を見て、慌ててハンカチを取り出して口元を拭う。
「悪い。血で汚してしまうな」
「いいから! でもなんで……」
やり返さなかったの?と聞きたかったし、なんなら今すぐ追いかけて抗議したいくらいだけど。
「あぁ、あれなー。訓練校時代の同期だ。そして、二世魔道士って言えば分かるか?」
「なっ……だからって……だからって!」
二世魔道士。そのままの意味で、親が管理局のそれなりの地位に居る人達の子供であること。私やスバルも大まかに言えばこれに入るんだろうけど……。
この言葉が意味するのは、親とは似ても似つかないほどのダメな人たちのことを差す。親の七光りで労せずそれなりの地位に行ける。今の准尉だってそうだ。明らかに響なんかよりも下のようなのに、既に准尉と言うのはおかしい。何より、会ってすぐに殴り飛ばすなんてありえない。
「いいよ。あんなの相手にする理由もないし……あ、コーヒー持っててくれてあんがとね」
「う、うん……それは、いいけど」
地面に座ったままの響に持ってたコーヒーを手渡す。そのまま一口含んで。苦々しく飲み込んで。
「痛ってぇ。染みるわ」
「……もう」
ケラケラと笑う響を見て、怒る気も失せてしまう。自然とハンカチを握る手に力が入る。さっきの二人組が言った事を鵜呑みにすることはないけれど……。
何で言い返さないんだろうって。真っ向から否定しないんだろうって思ってしまう……。
「さて、ちょっとトイレに行ってくる。あいつらが来る前に傷は……隠せないから、せめて血だけでも隠さないとね」
「……うん」
くしゃりと紙コップを握りつぶして、立ち上がる。その際に私の手を取って引き上げてくれるけれど。口の端が切れて傷になってる。
「すぐ戻るから、待っててくれなー」
「うん、いってらっしゃい
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