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魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第55話 同調する悪夢
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かったこと。これが一番しんどいくて、辛かった。

 それでも私は震離を覚えてる! とか考えてると、不意に現れた震離が、ただ悲しそうに涙でぐしゃぐしゃになった顔でごめんなさいと、呟いて背を向けて消えてったこと。 

 よくある夢だというのなら、悪夢にも程がある。何よりも居なかったことにしていた自分が嫌になるし……それを受け入れてた皆も……嫌だったし、悲しかった。

 だけど、嫌な夢を、悪夢を見たからって……。物理的に気が抜けるのとは話が違うでしょう……。

 話してると途中から、なのはさんの方を怖くて見れなくなってきた。訓練する気があるのかって叱られてもおかしくない。その為のお話……かも知れない。

 話し終えて、しばしの無言……。
 違うんです。やる気が無いとかそういうわけじゃなくて……、ダメだ。全部言い訳になってしまう。
 隣に座るなのはさんが、無言で立ち上がって、俯く私の前に立つ。

 叱られるような事をしたとはいえ、やっぱり怖いなぁと。さっきから冷や汗が止まりませんし……。

 そして、ぽんと、頭に手を置かれて一言。

「教導官としては、もっと気を入れなさいというのがあるけれど。私個人としては……ちょっと難しいなって」

「へ?」

 お叱りの言葉がきたーと思ったら予想外の言葉に思わず顔をあげてしまう。

「私も夢でそういう事……何か危機のような事を感じたことがあるし。何より、夢が切掛で魔法を知ったようなものだから」

 ニコッと笑うなのはさんを見て、思わず呆気に取られる。PT事件で魔法と出会ったとは聞いたことあったけど……まさかその事を言ってるのかな?

「それに、そろそろ震離と流から何かしらの連絡が来るかもしれないし、フェイトちゃんと響も帰ってくる頃だと思う。皆ちゃんと帰ってくるといいんだけどなぁ」

「……えぇ。本当に」

 流との繋がりはまだ薄いからか、夢には見なかった。だけど、あの震離の夢はなんだったんだろう?

 何事もなければ良いのだけれど……。


――side響――

 ジリジリと、ベッドを背にフェイトさんから離れるように距離を取る。あちらも、ジリジリと少しずつ距離を詰めてくる。その手に細い紐のような白いリボンを持って。

 事の発端は。ご飯食べている時に黒髪のツインテールも似合うんじゃない? と言われたこと。初めは普通に拒否、と言うか流石にそれはちょっとってなったんだけど。
 食べ終わって、部屋に戻る際、どこからか取り出した白いリボンを持って、俺の手を取って一度でいいからやってみようよと詰められる。

 申し訳ないけどって、断ってたんだけど……。徐々に誘い方が激しくなって、今ではすっかり……。

「一度でいいからやってみようよ、ね?」


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