暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第54話 PM20:42.
[7/15]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
説明するのも面倒だわ」

 見下すような笑顔を見て。そこでようやく気づく。

 あぁ、この人は、私の事なんて―――
 
 ライザさんが蹲る私に近づく。右手の剣を振り上げて。

「この程度で死んではダメよ」

 振り下ろされ、私は強く目を瞑る。

 だが―――

「……これは一体?」

『……つけられていた、様ですね』

 少し前まで仲良く話していたはずの声が聞こえた。恐る恐る目を開けると、ライザさんの振り上げた右手に黄色に輝く光の輪が掛けられている。レストリクトロック――認識したと同時に。

「……へぇ」

 左手にあるアークにも輪が掛けられ、ライザさんの四肢や胴体、そして振り上げてるギルにも輪が掛けられた。

 更に、バチンッと何かが落ちた音とともに明かりが消え、周辺が真っ暗になる。何が起きたか理解するよりも先に、ふわりと体を持ち上げられる感覚と、飛び上がるような感覚に驚いた。

 バチンッと再度音が聞こえたと同時に、所々明かりが灯る。そして、私を抱えている人の顔を見てまた涙が溢れた。

「遅くなった、ごめん」

「……っ、震離……さん」

 力強く微笑む震離さんがそこに居た。


 ――side震離――

 切っ掛けは、玄関上のベランダに気づいた所だった。流が来たらすぐに分かるし、何か変な感じがするからと考えてベランダに登ってみた。特に変わった様子のないベランダ。だが、変だと思ったのが。
 不自然に穴が空いた鉄板。そこから中を覗き込むと暖かそうな暖炉のついた部屋が見える。人の気配など微塵も感じないのに、だ。

 すぐに玄関へ降りて、センサーを設置。流が来たらすぐに戻ってこれるように、だ。戻ってきたらガレージに置いたバイクの荷台に忘れ物したからとでも言えばいい。

 そして、周囲を確認。他にも穴が空いていないか、中を覗き込めないか、それ以上に人の気配を感じるかどうかを探るために。2階建ての割にかなり大きなお屋敷をぐるりと一周する。

 玄関へ戻ってきた辺りで違和感が確信になる。車両の数と人の気配が一致しない。それどころか、人の気配がしない……いや、正確には流と誰かが中に居るのは分かった。一周回ってそれは確信を得た情報だ。

 だが、これはどういうことだ? そう思ってベランダへ上がりもう一度穴を覗き込む。さっきと違って今度は視覚に様々なフィルターを掛けた上で。

「……ッ?!」

 小さく悲鳴を上げてしまい、その場から後ずさる。

 見えてしまった。中にある物を。暖かそうな部屋の中には人が沢山倒れていた。ざっと見ただけで5人はいた。男女……かどうかは分からない。
 始めに目に入ったのは全身が血にまみれ、乾いて黒くなった人型の何か。服は着てないようだが、周
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ