暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第54話 PM20:42.
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った)

(申し訳ございません。さて、中で合図を出します(・・・・・・・)ので、それに気づいたら(・・・・・)入ってきて下さい。そして、二階の奥に様々な機械が御座います。勿論転移ポート(・・・・・・・)も、そこからなら六課へメッセージくらい飛ばせますでしょう)

 ……おや?

(ギィル? それはどういう意味で言ったのかな?)

 完全に何か意図があっての物言いだこれ。何かどんどん嫌な感じになっていくのは気の所為だと思いたい。

 だって、そうじゃない……ここは流のお家になるはずの場所なんだから。現に流の顔もここを見た時の顔は安心仕切っていたんだから。

(勿論、まずは無事についたことを報告すべきだと思いまして。深い意味はございませんよ)

 これ以降は念話を飛ばしても返事が無くなった。

 無事、ねぇ……。


 ――side流――

 アークに言われて少し考える。確かに震離さんは部外者……になるけれど、それでもだ。私と一緒に入れば問題ないと思う。

 だけど、万が一がないとも限らない……だけど……。

「いいよ。私ならここで待ってるから」

 ニコリと白い吐息を出しながら笑う。この場で何が正しいのかわからないけれど……。

「温かいものとか直ぐにお出しします。申し訳な――ひゃぅ」

 謝ろうとしたその瞬間、震離さんの手が私の頬を包み込む。長いこと運転していたせいか、既にその手は冷え切っていた。

 だけど、妙に心が暖まる、触れられると嬉しくなってしまう。

「気にしない気にしない。よそ者は私なんだからさ。ここで待ってるから、私が風邪引かない内に伝えてね」

 軽く頬を揉まれながら笑顔でそう言う彼女に、改めて申し訳ないと思う。長いこと運転させただけでなく、この芯まで凍える程の外で待たせてしまうのだから……。
 突然肩に手を掛けられ、くるりと反転される。

「さ、行ってきて。私はここで待つからさ」

「……はい、結果はどうあれ沢山お話したいことがあるんです。私の大好きな方達のお話や、色んな事を」

「……うん。分かった」

「では、少々お待ちください」

 背を押されながら玄関を開ける。振り向くと、そこにはニコリと笑いながら手を振る震離さんがいる。後ろ髪を引かれる思いのまま扉を閉めて。

 改めて玄関を抜けると、外を鉄の扉で塞がれた色とりどりのステンドグラスの窓が、天井には古いランプ型の明かりが灯されている。そして何より外と違って中は非常に暖かい……が。

 何時もと比べて少し肌寒いと感じてしまう。それに何処か寂しいような……そんな気がする。

 一足進む毎に、ギッ、ギッと廊下の床が鳴り、足音が廊下に響く。廊下を抜けると二階へ通ずる階段のあるホー
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