暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第53話 人の恋路は応援するに限る
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 ――side響――

「ねぇ? どうしても……駄目?」

「駄目です。コチラばかり恥ずかしいじゃないですか」

「……聞きたいなぁ」

 カウンター席で、キャディ店長から差し出されたマグカップを両手でいただいて、軽く頭を下げる。
 紅茶のいい香りが部屋を満たしてる中で、ふと、部屋の中をくるりと見渡して……。

 少しだけ違和感を覚える。
 
 キャディ店長と、ここには居ないサトさんとやらがお店をしてたとは聞いた。
 その割に……インテリアの置き方が好みな場所にある。
 不思議だなーとか思いながら。

「今頃六課でシャーリーとリインが頑張ってる頃かな」

「頑張ってるって……あ、そういう事。ごめんなさい」

 その意味に気づいて直ぐに頭を下げる。母さんが残したあの融合騎をいつでも動かせるように駆動データなどを入力してるようだ。
 あれから頂いた報告を読んで驚いたのが、外は完全に出来上がってるけれど、やはり心は入ってないし、何よりも心を入れたとしても駆動データも何も入っていないため体を動かすことは出来ないし、仮に心を入れて動かせても、今のままではユニゾンは厳しいとまで書かれてあった。

「気にしない。きっとシャーリーもリインも楽しんでるよ。
 自分以外の融合騎の後輩が出来るって、シャーリーも新しく関われることに喜んでたし」
 
「それなら……いいんですが。アチッ」

 一口含めば、思ってた以上に熱く、舌がひりひりする。その様子が可笑しかったのか、キャディ店長もフェイトさんも微笑ましそうに笑ってらっしゃるし。
 
 ゆっくり息を吹いて、冷ましてから一口啜って。
 
「……苦」

 思わず呟いたと同時に隣に座るフェイトさんがフフフと笑う。そして、手が伸びてきて。
  
「ちょっと借りるね?」

 フェイトさんが俺のマグカップを預かって、テーブルに置かれた小さなポットから、ティースプーンで何かを紅茶に3杯程度入れてゆっくりとかき回してくれる。その際にふわりと甘い匂いがしてきた。
 
「きっとこれなら飲めるよ? はいどうぞ」

「……ありがとうございます」

 手渡されてからもう一度啜って。

「あ、美味しい」

「良かった。私も昔は紅茶が苦手でね。はちみつ入れたら飲みやすくなるんだ」

「なるほど」

 さっき飲んだ時の嫌な苦さは全く感じられず、ホッと一息つけるレベルまで行った。やー温まるし美味しいなって。
 普段の癖で、あまり甘いもの食べないけど、小さくなってるからか、甘いものがとても美味しい。

「それにしても……本当にごめんなさいね。大変な時期に」

 申し訳無さそうな店長を横目に。フェイトさんと顔を見合わせて苦笑して。
 
「コチラのミスで
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