純粋なお遊び
合縁奇縁のコンサート 27
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」
ずばばばばばばばばばばばばばばば!
「〜〜〜〜〜〜っって、さすがにそれは無いでしょおおおおお!!?」
一撃ならともかく二撃も三撃も続いた挙句怒涛の雪玉が襲ってくるなら、狙いは明らかに私だ。
しかも、吹雪の如き球数と勢いからして一人や二人の仕業じゃない。
ぶつかっては四散する雪に埋められては堪らないと急いで立ち上がり、雪玉が飛んで来る方向に背を向けて走る。
「あ! まて!」
「にーげーるーなーっ!」
「無茶言わないで! 逃げるに決まってるでしょう!?」
追い掛けて来る人数を遠見で確認しつつ、突然の疾走者に戸惑う人波の隙間を素早く駆け抜け、背中にぶつかる雪玉の数が激減した所で減速。
背高な植物が生い茂る民家の陰でくるりと振り返り、
びしゃ!
視界が真っ黒に染まった。
「よっしゃ! 顔面いっただきーっ!」
「もーっ! また兄ちゃんの点かよ!」
「はしっ、走るとか……ずりぃよ……」
「くっそー! よそモンのクセに足速すぎんだろ!」
私の顔の上半分を覆う雪面の向こうで、男女混合の子供集団が口々に不満を並べている。
後から追い付いてきた子も含めて、総勢十九人……いえ、建物の反対側に隠れている女の子達も入れると、二十一人ね。この子達は乗り気じゃなかったみたいだから、まぁ良しとしましょう。
で・も。
「あなた達……良い事を教えてあげましょうか……?」
「よそモンがなんか言ってるぞー」
「きゃーっ! こっわーい!」
「! な、なんだよ! 文句でも……っ」
「……べ、別に、いじめじゃ……」
一部分だけずるりと落ちた雪面を見て、声量を下げていく子供達。
ああ、違うかしら?
見えているのは……怒りで爆発寸前になってる私の目……よね?
「まず一つ。一緒に遊びたいなら、最初に声を掛けなさい」
石畳の上に落ちた雪面の欠片をキュッと踏み締め、子供達に一歩近付く。
子供達は引き攣った顔で一歩下がった。
「二つ。あんなに通行人が多い所で滑りやすい雪をばら撒いちゃ駄目でしょう? 怪我人が出たらどうするつもりなの?」
続けて融け落ちた雪面も踏み、もう一歩、二歩。
私が近付き、子供達がジリジリと後退する。
そして
「三つ。これが最も重要だから、よぉく覚えておきなさい」
「ひっ……」
「ぅ、あ」
私の気迫に負けた子から順に逃げ出そうと踵を返し始めた、その刹那。
「何事も、やって良いのは、やられる覚悟がある者だけよっ!」
右脇に生える大木の幹に手袋拳を叩き付ける!
……と見せ掛けて、本当は大木の空間を振動させただけなんだけど。
一瞬後、揺れ動いた
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