第一章
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老ソーサラーの恋
アニマル=ママニとウォーレ=ビークは今はママニの神託でニジェールのビルニンコニにいた。ママニはその街の中でビークに彼の神託でありそうな依頼を探す為にギルドに向かう途中でこんなことを言った。
「実はわしは女の子が好きや」
「それがどないした」
ビークはこう言った。
「もう知ってるわ」
「まあ話は聞け、わしはこの世界ではゾンビや」
ゾンビ族の戦士である。
「それでも女の子は好きでな」
「色々見たりするな」
「そうしてる、わしが思うにな」
ママニはビークにさらに話した、日差しが強い街の中で。
「女の子が好きなんは種族に関係ない」
「それは当然やろ」
ビークの返事はまた素っ気ないものだった。
「恋愛にしろ性欲にしろな」
「完全に興味がない奴はおらんか」
「そんな奴おらんやろ、同性愛でもな」
「それでこの世界のわしもな」
「女の子好きや」
「こっちの世界のゾンビは身体が死んでるだけや」
心臓が動いていない、ただし腐敗はしない構造だ。身体の機能は心臓以外はしっかり動いているのだ。
「そやから性欲もな」
「あるな」
「他の種族と一緒でな、それで何歳になっても」
「恋愛はするか」
「この世界でも老いらくの恋ってあるやろ」
「ああ、おいらこの前こっちの世界で八十過ぎの爺さんが風俗店に入るの見たわ」
「それは恋愛ちゃうからな」
ママニはビークの今の話にこう返した。
「性欲や」
「そっちやな」
「確かに恋愛と性欲は絡み合うけどな」
「それでもやな」
「それは完全に性欲やろ」
そちらに全振りだというのだ。
「そうやなくてな」
「何歳になってもか」
「こっちの世界でも恋愛あるな」
「世界は違えど人の心は変わらん」
「そういうことやな」
こんな話をしてだった、そのうえで。
二人は旅の冒険者と素性を隠したうえでギルドに入りママニの神託でありそうな依頼を探した、すると。
ママニはある依頼を見てビークに話した。
「これやな」
「この依頼か」
「ものをこのビルニンコニから少し離れた村まで護衛して欲しい」
「それが自分の神託か」
「そう感じたわ、そやからな」
「受けるんやな」
「そうしようと思うが」
ママニはここでビークを見て彼に問うた。
「どう思う」
「自分の神託や」
ビークはママニに確かな顔で答えた。
「それでや」
「わしが決めることか」
「おいらはそれについていく」
「そうしてくれるか」
「ああ、これやと思うならこれにするんや」
「ほなな」
ママニはビークの言葉に頷いた、そうしてだった。
ギルドの事務員に依頼を受けろと言って依頼主のところに赴いた、依頼主は街の西の方に住んでいる天狗族の老ソ
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