暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第46話 贈り物と、デートを完遂したかった!
[1/15]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話


――side響――

 戸締まり済んだー、布団も片付けたし、今日の日付を書いた書き置きも完成させて、玄関の戸棚の上に置いた。
 謝罪もしっかり書いたし、皆元気ですよという事も書き記してる。きっと有栖夫妻が気づいてくれるだろう。
 
 さて。

「花霞。すまないが、この家全体にスキャンを掛けてくれないか? 何か変わったものがないか」

『了承しました。完了まで少々お待ち下さい』

 チリンと花霞から音が一つ響く。その間に母さんの仏壇の前で線香を灯して合掌と黙祷を。

 そして。

『……主、屋敷全体のスキャンが終了しました。一つだけ、解析不能の物を見つけました』 

「そうか。持って帰れそうな大きさ?」

『えぇ、それは心配なく。大体40センチ程度の大きさです』

 静かに目を開けながら、仏壇の前に飾られている母さんの写真を見る。

「母さん。ごめんなさい勝手に触ります」

 ふわりと線香の煙が動いた様に見えた。一礼してから、ゆっくりと立ち上がって。

「じゃあまぁ悪いけど花霞、場所教えてくれ」

『えぇ、この部屋にあります』

 くるりと部屋を見渡すけれどそれらしき物は見当たらない。母さんの今は使われていないベットに、小さな机と本棚。後は……。

『……主、この中にありますよ』

「……マジかー」

 ゆっくりとそれに近づく。壁際に掛けられている今はもう動いていない……いや、母さんが逝ってから止まったままの、ちょっと古ぼけた柱時計。母さんが大事にしていたねじ巻き式の、少し珍しいタイプ。
 ずっとネジを巻いていないから、振り子もずっと止まったまんまだ。とりあえず、壁から降ろそうと時計を軽く持ち上げる。机の上にそれを置いて、時計の前面部のカバーを外すと。

「……ゲ」

『なんと』

 カパッと前面部がまるごと外れた。そして、本来なら中に入ってる筈であろう、時計の部品は入っておらず、代わりに花霞の言う40センチ程度の白い箱と封筒が1つ入っていた。ただ一言響宛と。俺にと。
 何はともあれ、とりあえず俺宛にと書いてある封筒を開けると、中には2枚の手紙が入っていた。そして、それを開いて文を読む。

 ―――

 響へ。

 あなたがこれを見ているかどうかはわかりません。が、恐らく早い段階で見つけたか、もしかするとお爺ちゃんになるまで見ないかも知れませんね。ですが、もし見つけたのならば、貴方に関することをここに残します。
 
 まず始めに私は貴方が生まれたことを何よりも喜び、私にそっくりな見た目で、お父さんに似たのは目つきぐらいなものでした。日本と外国の子なのに貴方は全くお父さんに似ませんでした。
 これにはお父さんも草葉の陰で苦笑いを浮かべてると考えます
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ