暁 〜小説投稿サイト〜
【完結】Fate/stay night -錬鉄の絆-
第037話 7日目・2月06日『傷の切開と報い』
[1/4]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
セイバーとランサーの勝負はセイバーに軍配が上がった。
多分言峰綺礼とは反りが合わなかったんだろうと私は思った。
マスターが一緒にいたならばきっと私が負けていたかもしれないから…。
ただ最後は満足そうに消えることができたみたいで私としては安心できる事であった。
それで洞窟の中を歩きながら私はセイバーに話しかけた。

「セイバー…ランサーの事だけど、あれでよかったんだよね?」
「はい。ランサーも心残りなく逝けたと思います。第四次聖杯戦争の時よりはランサーとしては報われたでしょうね」
「第四次聖杯戦争の時のランサー? なにがあったの…?」
「できれば話してあげたいのですが………志郎にとっては残酷な話です。こればかりは勘弁してください」

セイバーはそれで過去の事を思い出しているのだろう、表情が少し苦悶そうであったのはやっぱりお父さんがやらかしたことなのかな…?
お父さんは第四次聖杯戦争で判明した事は教えてくれたけど戦争中に起きた些細な顛末は詳しく教えてくれなかったから。
それならセイバーが話したがらないのなら無理に聞き出すのも酷だろうと私は聞かない事にした。

「セイバーが話せないなら無理に聞かないからね」
「感謝します。シロ」

それで洞窟の中を歩いていくと少し広そうな空間が見えてきた。
その空間に入った瞬間だった。
入り口の壁に突如として凛さんが叩きつけられてきていた。

「凛さんッ!?」
「リン!?」
「うっ…あ…」

凛さんは壁に叩きつけられたのか頭を打ったのか血を流していた。

「あ………志郎、早かった、じゃない…?」
「凛さん! しっかり!!」

私が凛さんを抱き起し介抱しようとした時だった。
凛さんが吹き飛ばされてきた先から、

「ほう…あのランサーを倒してきたのかね。衛宮志郎」
「ッ!」

声のした方を向くとそこには言峰綺礼が後ろに手を組みながらその顔に愉快そうな笑みを刻みながら立っていた。

「あなたは! どうして監督役なのに!?」
「…それを今ここで聞くのかね。衛宮切嗣から聞いているのなら知っているのだろう。私はこういう人間だと…」

そうだ。
言峰綺礼は第四次聖杯戦争のマスターの生き残りでお父さんと最後まで争った人間。
お父さんは銃弾を心臓に撃ちこんで殺したと言っていたがなぜか生きている人外の人。

「………そうですね。確かに今更なことでした。ランサーのマスターであるのならたとえ監督役であろうと参戦しないはずはないですよね」
「その通りだ。なに、頭はやはりキレるようで安心したよ。さすが衛宮切嗣の娘だ」

そう言うと言峰綺礼はその手に黒鍵を出して構えた。
だけどそこで今まで様子を伺っていたセイバーが剣を構えて私と凛さんの前に立つ。

「答えな
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ