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3章 穏やかな日々
31話 報告
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ナが間一髪で間に合い、やむを得ず、そいつを殺した、ということ。アスナもキリトもその一件で血盟騎士団を一時脱退、脱退したそうなのだが…
 
「そいつが言ったんだ。オールラウンダーと仲の良い俺を殺せば、本気でオールラウンダーはヘッドを、Phoを殺そうとする。そうすれば、ヘッドが昔から忌まわしいと思っていたオールラウンダーを楽しみながら殺せる、って」

「「っ…」」

「俺は、なぜPhoが、リア姉たちに執着するのかと聞いたら、こういわれた。“知らねぇのか?ヘッドとオールラウンダーは旧知の仲だって”。…一体、どういうことなんだ?」

 リアとツカサは黙っていた。誰も身動きしなかった。耳鳴りがするほどの静寂だ。
 
「…リア」
「…大丈夫、大丈夫…」

 わずかに震える手を見て、ツカサが気づかわし気に声をかける。リアの“大丈夫”は、自分に言い聞かせているかのようだった。
 
「…あの人とは、向こうで、知り合ったんだ」

 リアがさす、“向こう”とは、あそこしかない。
 
「私たちと同じ境遇で、仲間だった。カッコよくて、強くて、面倒見がよくて、優しくて…。だから、私たちは、兄さんって呼んで、すごく慕ってた」

 リアはそこで切り、浅く息を吸いなおす。
 
「でも、ある時あの人は…突然消えた。それから、ずっと会ってなかったんだけど…再会したのは、ここ。そして、いつの間にかレッドプレイヤーの(かしら)になってた。…それだけだよ。今のあの人と仲良くしたことは、一度もない。」
「本当なのか?ツカサ」
「…ああ、あの人は、もう変わったんだ。俺たちと違って」

キリトはじっとリアとツカサを見ていたが、やがて溜息を吐き、どさっと椅子の背もたれに寄りかかった。

「…分かった、リア姉たちを信じるよ。ごめんな、疑うようなこと言って」
「私たちもごめん…ずっと黙ってた」
「そりゃ言いにくいよな。あのPhoと昔からの知り合いだなんて」
 
 悪い空気を断ち切るように、キリトは努めて明るく言っているようだった。
 
「んじゃま、訊きたいことは終わったし…その、俺らから報告があります」

 ゴホンと、キリトはわざとらしく咳ばらいをし、アスナは頬を染めた。…あ、これは来るわ、とリアとツカサは思った。
 
「俺はこの度…け、結婚しました」

 突如の沈黙、そして、
 
「「…ええええぇぇ!?」」

「け、け、結婚!?」
「う、嘘だろ!?」

 2人の驚きっぷりに、キリトとアスナはますます顔が赤くなる。リアとツカサは空いた口がふさがらなかった。
 
「て、てっきり付き合う報告だと思ってたから…嘘でしょ、結婚、結婚…」
「あ、アスナとキリトが結婚、結婚…」

 2人とも、ぶつぶつと結婚、という2
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