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【完結】Fate/stay night -錬鉄の絆-
第034話 6日目・2月05日『夢、そしてイリヤの現状』
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姉さんが………死んでしまうなんて嘘だ。
嘘に決まっている。
こんな現実など許容できない。
それじゃ今まで私がしてきた事はすべて無駄になってしまう。
これじゃ私の出発地点である『大事な、大切な人達を護れる正義の味方』という理想すら掲げられない。
だから誰でもいい、嘘だと言って………ッ!!



志郎は夢の中でさえ大きな叫びを上げるのであった。






………志郎が気絶してから夜中の事であった。
突如として志郎の『いやああああーーーーーッッ!!』という叫び声で居間で待機していた一同は一斉に志郎の部屋へと向かった。
扉を開くとそこには錯乱をしているのであろう涙を大量に流す志郎をセイバーが必死に抱き留めて落ち着かせているという悲しい光景があった。
そんな志郎の姿を見たのが初めてだったのだろう桜が、

「先輩………」

と言って涙を流した。

「シロ、どうか落ち着いてください!」
「姉さん! 姉さんが!!」
「大丈夫です! シロ、イリヤスフィールは生きています!」
「えっ………? 生き、てる………?」

やっとセイバーの言葉が受け入れてもらえたのだろう志郎の瞳に光が戻ってきた。

「はい。イリヤスフィールはなんとか一命を取り留めました。今はキャスターが治療を行っているところです」
「………会いたい。姉さんに会いたい」

志郎がそう言って静かに涙を流す。

「わかりました。シロ、キャスターの部屋へと参りましょう」
「うん………」

それでセイバーに支えられながらも志郎は少しずつ歩を進めだした。
それを見守る事しかできないでいたアーチャーは、

「すまない志郎………」
「アーチャーが謝ることは無いわ。イリヤスフィールの事をあんたの提案で救えたんだからよかったじゃない?」
「そうですよ、アーチャーさん。そうじゃなかったら今頃先輩はどうなっていたか想像もしたくありません」
「そうだな………。衛宮はいつも冷静沈着だったからな。姉が死ぬかもしれない瀬戸際までいったんだ。ああなるのも無理はない」

アーチャーの言葉に凛に桜、慎二は気に病むことは無いという感じに話をした。
だがなぜ凛はともかく桜と慎二が話に着いていけてるのかというと志郎が気絶した後に桜と慎二もいろいろ訳あってアーチャーの正体を知った口なのだ。
それはもう驚かれた事だろう。

それから志郎はセイバーに連れられながらもキャスターの工房へと入っていく。

「キャスター………いる?」
「志郎様? はい、大丈夫ですわ」

キャスターは志郎を部屋の中へと招き入れる。
するとすぐに目についたのがなにかの培養液のような液体が入っている入れ物の中に沈まされているイリヤの姿があった。

「姉さん………」


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