暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王BV〜摩天楼の四方山話〜
ターン14 鉄砲水と手札の天使
[9/13]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
…大安吉日新年の朝、昇る日の出が勝利を照らす!ランク2、餅カエル!」

 バハムート・シャーク(2)→(1)
 餅カエル 攻2200→2700 守0→500

 バハムート・シャークが自身の周りを浮遊する光球の1つに首を伸ばして食らいつき、その身に秘められた力を解放する。その仲間を呼び寄せ戦線を強化する神話の力に誘われてサラキアビスの空いたリンク先に現れたのは大小2段に積み重なった白いとぼけた顔のカエル2匹と、なぜかその上に載せられた小ぶりなみかんであった。

「バハシャ餅の布陣か……先出しして補給部隊のドローを止めるよりも、ダメージと相手へのプレッシャー優先ってわけだな。だが逆に言えば、餅カエルのコストにできる水族モンスターが奴の手札にいないことの証明にもなる。さあ、こっからどうする気だ?いくら万能のカウンター能力があるからって、安心できるようなもんでもないぞ」

 職業柄ついやってしまう鋭い目つきでの解説に、傍らの八卦もよく分からないなりにこくこくと頷く。

「僕は、これでターンエンド」
「……!」

 再びターンが変わり、またしても儚無みずきのターンとなる。フィールドだけ見れば圧倒的に不利な状況だが、精霊少女の目に諦めの色はない。そしておもむろに、1枚のカードを取り出した。

「サンダー・ボルトぉ!?ダメダメダメ、それは絶対通せない!餅カエルの効果発動!手札かフィールドの水族モンスター1体、この餅カエル自身を墓地に送って相手の発動したカード1枚を無効にして破壊、そしてそのカードを僕のフィールドにセットする!」

 すべてを破壊する雷撃が放たれる寸前、餅カエルが長い舌を伸ばしてその手から直接サンダー・ボルトのカードをひったくる。そのまま清明の手にカードを吐き出し、気まぐれなカエルはどこかへと跳ねていってしまった。
 強力なカードであるサンダー・ボルトは、これで清明の手に渡った。しかしそれは、早くもカウンターが打ち止めになってしまったことを意味している。

「おっと、餅カエルが墓地に行ったことで、その最後の効果を発動。僕の墓地の水属性モンスター1体、サイレント・アングラーを手札に加えるよ」
「……」

 どうやら今度は、融合モンスターを呼び出す気はないらしい。効果を使わないままに残る最後の竜魔導の守護者と霊廟の守護者が、ともに先ほどの清明がやったのと同じように光の螺旋となって宙に舞う。

「エクシーズ召喚、となるとランク4か」
「……!」

 ☆4+☆4=★4
 No.(ナンバーズ)50 ブラック・コーン号 守1000

 そしてサラキアビスとは反対側のエクストラモンスターゾーンに出てきたのは、漆黒に塗られた木造の帆船。力強く張られたその白い帆には大きく「50」の文字が独特な字体で描かれてい
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ