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ドリトル先生と姫路城のお姫様
第十二幕その十一

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「そうなのね」
「簡単に言うとね」
「そうなのね、ただね」
「ただっていうと」
「いや、作品のレベルも高いのよね」
「かなりね」
「だったらこれからメジャーになっていくかしら」
 サラは先生に考えるお顔で言いました。
「それなら」
「そうなって欲しいからね」
「兄さんも論文書いたのね」
「英語でも論文を書いてイギリスの学会に発表したよ」
「そうしたのね」
「日本語の論文も書いたけれどね」
 そして日本の学会で発表したというのです。
「英語でも書いたよ」
「日本文学を世界に紹介する為にも」
「そうしてみたよ、どうもイギリス文学に比べると知られていないからね」
「イギリス文学は有名だから」
「そうだね、けれどね」
「日本文学も負けていないのね」
「イギリス文学にね」
 まさにというのです。
「そう思うからこそ」
「兄さんも本気ね」
「本気で論文を書いてね」
 そうしてというのです。
「各国に知らせていきたいよ」
「兄さんの目的がまた一つ増えたってことね」
「そうなるね」
「そのことはわかったわ、じゃあね」 
 ここであらためて言うサラでした。
「兄さんはね」
「僕は?」
「もうそろそろね」
 こうお兄さんに言うのでした。
「結婚もね」
「ああ、そのことだね」
「真剣に考えてる?」
「そうなってきたよ」
「じゃあ早く血痕してね」
「国籍も日本に移そうと考えてるし」
「じゃあ日本に永住するのね」
「そのつもりだよ」
「そうなの、日本人になるのね」
「完全にね」
「じゃあイギリス系日本人ね」
「そうなるね」
 先生はサラに笑って答えました。
「国籍を移したらね」
「そうよね」
「日本は国籍を取る手続きが大変らしいけれど」
「それでもなのね」
「うん、日本人国籍を取って」 
 そしてというのです。
「そうしてね」
「日本に永住して」
「ずっとここにいたいよ」
 日本、そして神戸にというのです。
「そう思っているよ」
「そこまで思うならね」
 サラはお兄さんの言葉を聞いて笑顔で応えました。
「そうしたらいいわ」
「サラもそう思うね」
「そしていい人とね」
「結婚してだね」
「家庭を持って」
 そうしてというのです。
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