暁 〜小説投稿サイト〜
【完結】Fate/stay night -錬鉄の絆-
第031話 6日目・2月05日『イリヤと向き合う事』
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
そうでもないと信じられない!!」

イリヤにそこまで言われる志郎。
だから志郎も覚悟を決めて、

「………いいよ」
「シロ!? いけません、もしこれがイリヤスフィールの罠だったら!」
「大丈夫。姉さんはそんな事をしない」
「ですが………ッ!」
「私を信じて………」

そこまで言われてセイバーも覚悟を決めたのだろうイリヤに視線を向けて、

「イリヤスフィール………シロにもしもの事がありましたらあなたのことを」
「わかっているわ。セイバー。大丈夫、ちょっとシロの記憶を見させてもらうだけだから」

そう言ってイリヤはシロの額に自身の額を合わせて魔術を展開してシロの過去に入り込んでいく。
そこでイリヤは見た。
志郎の過去を。
最初の記憶の大火災。
シロウという兄と家族を失ってしまった事。
衛宮切嗣に引き取られて一緒に暮らすことになった事。
魔術を習いながらも聖杯戦争の事をすべて聞かされた事。
何度もアインツベルンに侵入を試みようとして失敗し撤退を余儀なくされた事。
そして、衛宮切嗣がやせ細っていき死期を悟ったのだろう月が綺麗に見える夜に志郎に想いを託して看取られながら息を引き取った事。
志郎の言った事はすべて、すべて真実だった………。
それでイリヤはすべてを心に飲み込んでゆっくりと志郎から額を話す。
そこで意識を取り戻したのだろう志郎はいつの間にか抱き着かれているイリヤに目を向ける。
そこには涙を流しているイリヤの姿があった。

「………姉さん?」
「ごめんね、ごめんねシロ………。わたし達はあなたの家族の人達にとんでもないことをしてしまった………」
「………」

それで志郎もすべてを悟ったのだろう。
何も言わずにイリヤを抱きしめた。
そんな二人の姿にセイバーは神聖な物を見る目で見守っていたのだった。
それからしばらく抱き合っていた二人だったが、

「よし! もう大丈夫よ、シロ!」
「姉さん、もう平気なの………?」
「うん! キリツグの真意も知れて最後も知れた。だからもういいんだ………。
キリツグに恨み言は言いたい。お母様もいないし………でも、でもわたしにはまだシロっていう家族がいた!
アインツベルンを裏切るわけじゃないけど、わたしはシロのお姉ちゃんでいたい!」
「姉さん………!」

それでお互いに笑顔になる二人。

「それで話は戻るけどシロはなにを悩んでいたの?」
「え? 記憶は見たんじゃないの………?」
「つい最近のまでは見なかったけど、そのアーチャーが関係しているんでしょう?」
「うん。姉さんが私の記憶を見たなら分かると思うけど私にはシロウっていう兄さんがいたの」
「うんうん」
「それで、そのアーチャーがね………平行世界で私が大火災で死んだ世界線だと思うんだ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ