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【完結】Fate/stay night -錬鉄の絆-
第031話 6日目・2月05日『イリヤと向き合う事』
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………」
「穢れているっていうんでしょう?」
そこまで言うとイリヤがまるで知っていたかのように話し出す。
「イリヤスフィール………あなたは聖杯が穢れているのを知っていたのですか!?」
そこで黙っていたセイバーが思わず聞捨てならないという感じでイリヤに話しかける。
その反応を見てイリヤは「ふーん………?」と鼻を鳴らし、
「セイバー。あなたはシロから聞かされて知ったのね?」
「はい。その通りです」
「わたしもね。第四次聖杯戦争が終結した後にお母様を通じてそれを知ったんだ………」
そこで今まで笑顔を浮かべていたイリヤの表情に影が落ちる。
「アイリスフィールから………? それは………」
「お母様は小聖杯だった。
だから同じ小聖杯で繋がっていたわたしにもお母様の情報が流れてきたんだ。
最初に知った時は驚いた。聖杯の中身が穢れていたことに関しては。
でも、アインツベルンはそれを知ってなお聖杯を求めたの。
………裏切ったキリツグに対しても復讐をしないと気が済まないという感じね」
「姉さん。お父さんは決して姉さんの事を裏切ったわけじゃないんだよ?」
「えっ? でも、キリツグはわたしを迎えに来てくれなかった………それどころかシロを引き取ってのうのうと平和を享受した。
私がこの十年、どんなにつらい思いをしたことか………ッ!」
それで癇癪を起したのだろうイリヤは立ち上がってシロを睨む。
その目には涙が滲んでいて志郎は少なからずショックを受けたがそれでも伝えないといけない。
「…聞いて、姉さん。お父さんはね、何度も迎えに行ったんだよ」
「………え? で、でもアハト爺はキリツグは迎えには来ていないって………」
「やっぱり、そう言う事だったんだね」
「どういう事………?シロ」
「うん。お父さんは私が魔術を習得して使えるようになった後に何度か一緒に姉さんを迎えに行った」
「嘘…」
「それは本当の事なの。でもアインツベルンの城には強固な結界が展開されていて私達は入る事すらできなかった。
まして聖杯の呪いに侵されてすでに死に体だったお父さんには強行突破できるほどの力も残されていなかった。
終いにはアインツベルンのホムンクルスの獣を嗾けられて私達は撤退を余儀なくするしかなかった………。
そして、第四次聖杯戦争から五年後にとうとうお父さんは動けなくなってしまって………」
そこでシロは言葉を切る。
「キリツグは、死んだの………?」
「うん。私に姉さんを救ってくれという願いを託して………」
「そんな………」
それでイリヤは絶句していた。
だけどしばらくして急に怒り顔になり、
「信じない! 嘘よそんなこと!」
「本当なの! 信じて姉さん!!」
「ならシロの記憶を見させてよ!!
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