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魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第43話 上司と部下より、先輩後輩で
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横に流して、肩から前へ髪をおいたんだけど……。

 すっごくサラサラで驚いた。私も髪の毛が長いから結構ケアしてたりするんだけど。響の髪はそれ以上にツヤツヤでサラサラだ。触ってるだけで心地いい。そして、ちょっと羨ましい……。

 今の響の体制は、お風呂に浸かりながら、頭だけをお風呂から出して、お風呂の縁に座る私の膝の上に頭を置いてる。
 流石に意識をなくした響を一人にするのは危ないし、万が一誰か来てしまっても2人ならなんとか誤魔化せると思ったからだ。

 すると再びモゾモゾと動く響の頭。

「あ、響起きた?」

 再び動きが止まった。うーん。やっぱりまだ意識は復活しない……か。うーん。正面から膝枕をしているせいで……なんというか、響の顔を確認出来ないのがちょっと辛いかなって。

「……フェイトさん?」

「あ、気がついた。良かった?」  

 響の声が聞けて、本当に安心した。良かった変な所打ったりしてないか調べないと。そう思って顔を横から覗こうとしたら。

 ガバッと響の上体が起き上がり、座ったままの姿勢でそのまま前進。どうしたんだろう急に?

「あの、響。そのさっきはごめんね?」

 少し離れた所で響の動きが止まる。だけのその姿勢は前かがみのままだ。やっぱり何処か打ったのかな?

「イエ、大丈夫デス」

 何か何処と無く片言に聞こえるし、背中越しで話すし……大丈夫かな。そう思って私もお風呂に入って、響の元へ近づくと。

「あ、ホント平気なんで、そのフェイトさん。チョット待って貰って良いですか」

 左手だけ向けて、こっちに来ないでって言ってるように見えるけど。そんなわけには行かない。

「ダメ、何処か打ってたらどうするの?」

 気にせずザプザプと近づく。だけど、近づいてきてるのがわかったのか響がそこから移動を開始。相変わらず前かがみのままだし。

「いや、あのホント平気というか大丈夫なんで、ホント待って下さい」

 ……うーん? ならなんでこんなに離れるんだろう? そう考えながらこれ以上は、と考えて止まり、湯船に座る。

 暫く無言が続いて……。

「……よし、煩悩退散。さて」

 小さく何かつぶやいやと思ったら、クルッとコチラを向いて。ペコリと頭を下げて。

「ごめんなさい。湿っぽい話をしてしまって、余計な誤解を産んでしまって」

「え、いや、それは」

 頭を上げて恥ずかしそうに苦笑い。

「……ううん、こっちもごめんね。私も昔の事を思い出しちゃって」

「いえ、ただ……久しぶりに話して良かったとなぁと。久しぶりに母を思い出しました。いい土産話になりそうです。今良い所で働いてるって」

 ニコッと笑う。だけど、その笑い方は……。


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