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魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第43話 上司と部下より、先輩後輩で
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れて露天風呂に入って正直驚いた。

 男湯のどれよりも豪華じゃねーかって。

 まぁ、それからは3人で風呂入りながら、2人の話を聴く。と言っても、大体はフェイトさん関係……もっと言えば、他愛もない昨日はこんなことが、その前はあんなことがってよくある家族が話すような事。いつかの一件以来本当に距離が近づいたみたいで、見てて微笑ましい。

 そして、ある程度時間が経って2人に促す。そろそろフェイトさんが待ってるだろうから向こう行ってやりなと。ここまで来てようやくエリオも腹が決まったみたいで、キャロと一緒に女湯へ向かっていった。

 で、今誰か来たら気配で分かるしとか思いながら一人でぼけーっと風呂に浸かっております。マナー違反だけど腰にタオル巻いてな! だって、露天だし万が一があったら嫌だからね!
 ふと、女湯の方から誰かの気配を感じて直ぐに撤退の用意をする……けど。

「……あれ?」

 思わず声に出てしまった。だけど、この気配は……。まぁいいか。

 少ししてから、女湯の方の戸が開く音が聞こえる。ペタペタと近づく足音が聞こえ、そして止まる。

「……隣いいかな?」

「えぇ、いいですよ。どうぞフェイトさん」

 振り向かず、声だけで返事をする。今振り返れば見上げる形になってしまうし。それはお互いに気まずくなる。
 顔は見えない。だけど、フェイトさんが座るのに合わせて水面に波ができる。

 少しだけお互いに無言になる。フェイトさんが何の意図でわざわざここに来たのかは分からない。だけど、ここにまで来たということは何かある訳で……。最近は心あたりがないんだけどなー。

「……その、ね。響。奏から……その」

 ポツリ、ポツリと話し始める。だけど、若干声が震えてるように聞こえるけど……。

「響の……お母さんの事を聞いてしまったの……だから、その、ごめんなさい」

 ……ん?

「何がでしょう? 知らないから聞いた。それに良いも悪いも何もないでしょうよ」

 思わず吹き出しそうになる。もしかしてこの事を気にしてたのかな?なら、別に気にしなくていいのに。

「で、でも。大切な思い出を……私は」

「それこそ気にしなくて良いです。そうですね……なら、母の話でも聞きます?」

「え、でも……」

「別に良いですよ。さて、どこから話しましょうかね」

 お湯を掬って顔を洗う。ちょっと恥ずかしくなりそうだから今のうちにお湯でのぼせたみたいにしておこうと思って。

「……いや、大丈夫だよ奏から聞いた。響は別れた時……どうだったのかなって」

 ……あらま、ちょっと予想と違う話が飛んできたな。うーん、まぁ良いか。素直に話そう。

「……うちの母って戸籍も何もないんですよねー。俺には
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