暁 〜小説投稿サイト〜
【完結】Fate/stay night -錬鉄の絆-
第029話 5日目・2月04日『脱落者』
[4/4]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
かったわ。キャスターの結界がある志郎の家なら匿うには最適だからね」

それで桜と慎二もしばらくの間………正確に言えば聖杯戦争が終わるまでは志郎の家で匿おうという話で決まった。


……………
…………
………


それから落ち着きを取り戻した一行は今日はもう遅いという事で食事も軽めに取って明日に備えることにしたのだった。
ちなみに学園から連絡があり弓道場の一件でガス漏れを疑われて数日間学校に警察が検査に入るという事で休みになった。

その晩の事であった。
凛は桜も救えたことだしアサシンの件もあるだろうが一応の落ち着きも見せたことでいつもなら家の屋根の上で監視をしているだろうアーチャーを部屋に呼び出して、

「さて、それじゃアーチャー。桜も救えたことだし私達だけの会話でもしましょうか」
「そうか。いつか来るとは思っていた」
「そう」

凛はアーチャーのその言葉に相槌を打ち、話し出す。

「昨日………あなたの、生前のエミヤシロウの過去を夢で見たわ」
「そうか」
「そうか、って………なにか他にあるんじゃない?」
「別に………。見られたのなら別に隠す必要はないさ。私は心の底から過去の自身を恨んでいるのはもう話したな? 私の真の目的も」
「自分殺し………。でも、そんな事をしてもただの八つ当たりよ?」
「そんなことは先刻承知済みだ。それでも私はそれに綴るしかもう希望が見いだせないのだよ」
「でも、この世界のあなたは………」
「ああ。志郎を守ってすでにこの世にいないことは知っている。だから私は志郎のことを………」

その時だった。
ガタッという物音が部屋の外から聞こえてきたのは、

「………誰だね?」
『私です』

外からはセイバーの声が聞こえてきた。
アーチャーはドア越しに、

「セイバーか。どうしたね?」
『いえ、たまたま通りかかっただけですよ。気に障ったのならすみません』
「いや、構わない。衛宮志郎にあったらよろしく頼む」
『わかりました。では………』

そう言うとセイバーの気配は遠ざかっていった。
それから凛とアーチャーはまた話を再開した。
だが、二人は気づかなかった。
セイバーはとっさに凛と話をしようとして来ていた志郎にキャスター仕込みの魔力と気配殺しのフードを被せていたのだ。
突然の二人の会話に頭が追い付かず体を震わす志郎をセイバーはなんとか部屋まで運び、

「シロ。落ち着いてください」
「で、でも………そんな。アーチャーは………そんなッ!」

志郎はただただ衝撃の事実に体を震わせることしかできなかった。
こうして夜は更けていくのであった。



[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ