暁 〜小説投稿サイト〜
【完結】Fate/stay night -錬鉄の絆-
第028話 5日目・2月04日『救い』
[2/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
志郎と何度も話し合いをしていた。
その中で絶対に桜を救えると判断した時だけ、あるいは間桐臓硯を完璧に殺しうる時だけにやるお互いの合図を決めていたのだ。
そしてその合図があった時に限り衛宮の武家屋敷の敷地内まで来てほしい、という取り決めをしていた。
今はできなくとも将来的に志郎は自身の屋敷の結界に間桐臓硯を殺しうる装置を組み込む計画を立てていたのだ。
その為には様々な協力や資金の調達などが必要となり目下計画どまりだった準備不足の計画だったのだ。
そして慎二はまさかその合図が今日されるとは思っていなくて、思わず間桐臓硯の目を他の関心に逸らさないといけないという理由と一旦落ち着いて整理したいという理由でライダーとともに撤退したのだ。

「(衛宮………信じていいのか? お前の計画に不備はないと思う。この聖杯戦争だ。思わぬ収穫を得ているかもしれない。だけどまだ確証に至るには浅い。だから今度はこちらからもう一度確認させてもらうよ)」

そう決意して慎二は握っていた拳に入っている力を和らげて一度深呼吸をして、

「………学園を襲えばいいのですね?」
「むっ………? なんと、もう決意ができたのか。もう少し反抗的に喚き散らすと思ったのだがな」
「確かに………でもお爺様には逆らえないのは分かっている。なら従うしかないじゃないですか」
「くっ………つまらん奴じゃのう」

それで先ほどまで不気味に笑っていた間桐臓硯は慎二の開き直りの良さに不満を感じているのであった。

「それではライダーとも作戦を話し合わないといけませんのでこれで失礼します」

そう言って慎二は工房を後にした。
そしてもう桜も寝静まったであろう深夜の自室で、慎二は一回扉を止めた後に一回癇癪を起したかのように地団太を踏んだ。
それを数回繰り返した後………、

「お爺様は本当に僕の部屋を蟲で監視はしていないようだね」
「………そのようですね」
「舐められたものだね」

するとその慎二の言葉を待っていたかのようにライダーが実体化する。
先程の地団太は間桐臓硯が慎二の部屋を監視しているか確認するための物だった。
確認していればそれでいい。それを前提にして今から手短に話し合わないといけない。
己の未熟さに呆れながらも今回はありがたかった。

「それじゃライダー。霊体化して聞いていただろうけど………」
「ええ。私は明日、桜達の学び舎を私の宝具である『他者封印・鮮血神殿(ブラッドフォート・アンドロメダ)』を使い襲えばよろしいのですね」



ライダーの宝具の一つである、『他者封印・鮮血神殿(ブラッドフォート・アンドロメダ)』。
それはひとたび使えば赤い結界が周囲を覆い内部の人間を取り込んでその血肉、そして魂をもまるごと溶解し魔力に変換して吸収し糧と
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ