第一部
第二章 〜幽州戦記〜
十四 〜出立〜
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者を大切になさるのはわかります。ただ、何故ここまでなさるのでしょう?」
「過分に過ぎるか?」
「い、いえ、そうではないのですが。ただ、兵は使い捨てのように扱い、見下す将は大勢いる中で、ご主人様の有り様は違う。そう思ったのです」
「そうだな。私の性分、ではあるかも知れぬ。……それに」
「他にも、理由がおありですか?」
「……失いたくないのだ、大切な仲間達を。適うなら、誰一人欠ける事なく、共にありたいのだ」
「…………」
「それが、将たるものの心得。……少なくとも、私はそう思うのだ」
仲間を、部下を失う辛さは堪え難いもの。
それを繰り返す愚は避けたい、いや避けねばならん。
「やはり、ご主人様ですね。そんなご主人様だから、皆が慕うのでしょう」
「愛紗?」
そっと、身を寄せてくる愛紗。
「参りましょう。ご主人様も、お身体が冷えてしまいます」
「……ああ」
私は、今一度空を見上げた。
明日には、止むと良いのだがな。
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