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魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第35話 勢い余って愛を、一歩前進していく
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――side震離――
調子が絶不調な奏を支えながら、医務室を目指して歩く。けど、やっぱりさっきの言い合いのせいか、トイレに連れて行った後も、その間も、今も、ずっと無言だった。
勿論奏の言いたいこともちゃんと分かってる。心配してたっていうのも伝わってくる。きっと、奏も私の気持ちを理解してるんだろうけど、お互い客観的な意見と言うか、相手が危ないということしか考えてないというか、なんというか……。
ダメだ、もう! 謝ろう!
と思ってんだけど、これが中々言い出せない。ちらりと奏の方を見るけど、本当に調子悪そう……と言うか死に掛けてる見たいに顔色が青を通り越して白い。まぁ、今日が初日で辛いのに、痛み止めとか飲んだ上に、リミット外して無理してたもんね……。
私も人のこといえないけど、さ。今も気を抜けば、痛みが来る。ふと、あの人の言葉を思い出す。治す前に言ったあの事を。
――魂を元にアナタの体を治します。ただ、もう二度とこの方法は使えないですが、短期間で直せます。それこそ頭がクシャっとなっても!
受けてからミスったかなぁと思ったけど、術式展開をちゃんと見れなかったのは惜しかった。それと、魂なんて不確定なものを使ってるからか、それとも魂から修復している関係なのか分からないけど、普通に痛覚切ってる程度じゃ痛みが引かないから、無理やり倍率引き上げて痛みを誤魔化してる。
お陰様で体ぶつけても今痛くないよ!
……うん。
なんて事してる場合じゃないんだよ、私ぃ!
よし、決めた。言おう!
「「あの」」
そう思って声を掛けたら、被ってしまった。驚いた顔のまま、思わず顔を見合わせて。
「「フフフ」」
お互いに笑い合う。驚いた顔がおかしくて、お互い同じ考えだったみたいで。
「……ごめんね奏。熱くなった」
「私の方こそ、分かってたのに、それでもつい言っちゃった」
もう一度お互い顔を見合わせて笑い合う。ふと、悲しそう俯いたのを見て、足を止める。
「どったの?」
「……あれだけの事が起きたけど、流はこの事を知ってるのかなって」
「……」
奏の言う通り、アイツが流の意識を掌握していたのかわからないけれど、実は流の意識が起きていたら……。いや、まだ分からない。
そんな事を考えているといつの間にか医務室の前まで来ていて、扉を開けた中へ入った。そして、奏をベッドまで送り届けた後、なんとなく流のベッドを覗いた。
そして、目が合った瞬間、流の目から涙が零れ落ちた。そして、震える声でただ一言。
「……ごめ、ごめん……なさ……い」
その一言を切掛にボロボロと涙を流しながら、ごめんなさいと何度も謝っていた。
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