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聖国のジルフリーデ 〜勇ましき姫と気高き女騎士と、男勝りな女戦士と妖艶な女盗賊は、媚薬の罠に乱れ喘ぎよがり狂うも、心だけは屈しない〜
第2話 4人の女傑は、汗の匂いを撒き散らす
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なら、間違いなく慰み者にされる。そんな絶望に包まれた暗黒の時代が、この聖国を覆い尽くしていた。

 ――だが。聖国にいる誰もが、そんな暴力だけの時代を受け入れていたわけではない。

 敗戦直前、間一髪王城から逃れていた聖国の姫君――ジルフリーデ。彼女は近衛騎士の1人・ラフィノヴァと共に、城下町を脱出し僻地へと逃れていたのだ。
 そして落ち延びた先で、幼馴染であり剣の師でもあるラフィノヴァからの手ほどきを受けた彼女は――王族でありながら自ら剣を取り、聖国奪還のために戦う道を選んだのである。

 父の仇を倒し、自分を逃がすために身を呈した母を救うため。ジルフリーデはラフィノヴァと共に旅立ち、祖国奪還の戦いに挑むのだった。
 その道のりは困難を極めたが――旅の中で出会った2人の仲間を得て、ジルフリーデは各地を占領していた帝国兵達を次々と打倒していく。

 帝国兵狩りを生き甲斐にしていた荒くれ者の女戦士・ベーナゼット。帝国軍だけを狙う盗賊・ロザヴィーヌ。女を見下し、道具のように扱う帝国軍が許せないという彼女達と意気投合し、ジルフリーデ一行は聖国各地を転戦し続けた。

 山を越え、海を渡り、森を抜け。沼や洞窟、地底湖に潜り。町や村でも戦い、時には装備を求めて遺跡(ダンジョン)に挑む。
 そんな国中を巡る、冒険の日々を送るうちに。彼女達はいつしか、身分や出自を超えた友情で結ばれ――ついに、今日。

「アンジャルノン……私達は必ず、あなたから母上と! この国を……取り戻して見せますッ!」

 眩い太陽と晴れ渡る青空に、見守られながら。
 敵の本拠地となった王城に乗り込み、帝国軍を率いるアンジャルノン将軍との決戦に臨もうとしていた――。

 ◇

「ジルフリーデの一味だ! 奴ら、とうとうここまで来やがったぜッ!」
「ヒューッ! 全員揃いも揃って、美味そうな身体してやがる! こりゃあブチ込んだ時が楽しみだぜぇ!」
「お、おっ、俺もう暴発しちまいそうだぁ!」
「姫様以外は犯して良しってのが将軍の命令だ! お前ら、捕まえた奴からひん剥いてやれェッ!」
「うぉぉおぉおッ! 全員纏めて、ヒィヒィ言わせてやるぜぇえッ!」

 城下町で町娘を組み敷いていた帝国兵達を、いつも通り(・・・・・)に成敗した後。正門から一気に突入して来た彼女達4人を待ち受けていたのは、衛兵達による下品な怒号と粘つくような厭らしい眼差しであった。
 二角獣(バイコン)を模した鉄兜と、赤い鎧。帝国兵の証であるその姿に、4人の女傑は眼の鋭さを増して行く。

「……敵の本拠地まで来たのに、代わり映えしないものね。ここにいるのもどこにいるのも、鎧を着たサルばかり」

 ボブカットに切り揃えられた、緑色の髪を揺らす妖艶な美女。そのはち切れんばかりの豊満
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