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魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第34話 砂漠の逃げ水
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駄目駄目駄目駄目、まだ。まだ、倒れたら。痛みは切断した。ならば、私は。まだ!

 そう思っても、そう考えても、震えるだけの体を起き上がらせることが出来ない。

 ふと、アイツがコチラに切っ先を向けて、スフィアを展開、そして――

「■■■■!!」

 何かを叫ぶと共に、スフィアが更に大きく膨らんだ。


――side?――
 
 やっと機動六課についた。魔力を消して、気配も薄めてきたせいかな。いやー、参った。数年ぶりにこうして飛んだり跳ねたりしたもんだから。すこし疲れた。歳……ってわけじゃないけど、ここ数年は落ち着いた暮らしをしてたからかな。すっかりお婆ちゃんになった気分だよ。
 アタッシュケースも持つのが途中面倒になって、適当な紐で背中に背負い込むようにして運んでる。空を跳んだり跳ねたりする時に余計なもの持ってると嫌だしね。

 それにしても、良い景色。その上海沿いは良い風が吹くから心地よい。

「きれいな場所ね」

「……あの人達の地元に似てるらしく、皆さん気に入ってる見たいですよ」

 少し前に合流したメイドさん――通称Sさんが横で言う。
 なんというか、ちょっと不思議な縁だ。
 
 初めて出会った時は、私も彼も……不明戦力として警戒して、私と戦ったというのにね。
 
「……所で、その仮面って暑くないの? しかも頭巾までつけて。なんでまた?」 

「……まあ、顔も髪も見られたくないですし」

 チラリと視線を向ければ、顔を覆う黒い狐の仮面を被ってる。お面って言うのが正しいのかな?
 あまりそちらの都合には踏み込まない様にしては居るけど。
 
 さて、改めて辺りを見渡せば本当に良いところだ。
 まぁ、そこに二重で結界張ってなければ尚良かったんだけど……。そもそも、張ってなかったら来ないか。
 湖の騎士が張った結界は既に解析した。いつでも入れる……問題は、その中は解析進めてた、とは言え類似してるものが無さ過ぎて、移動中にも調べてたけど、もう少しってところかな?

 外で人が結界を囲っているところを見ると、恐らくあの結界の中で、流君の体を奪った奴が立てこもってるんだろう。そして、完全に取り込まれる前に結界を破壊して相対しようとしてる。

 って言うのが、先程までの予想だったけど、近くにいくに連れて、どんどん焦りが見え始めた。何故? まだ、そんな時間は経過していない。しっかり割って、しっかり対応するのがベストだと思うんだけど。

『Analyse abgeschlossen.』

「……お、解析完了っと。どれどれ?」

 胸に掛けたロザリオ……エクスピアシオンからのデータを受け取って展開。

 そして、それを目に通し、把握した瞬間。直ぐ様、|短距離瞬間移動《ショート
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