暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第33話 大好きな6色、嫌いな1色
[1/10]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話


――side震離――

 話を聞いた時。凄く楽しみだった。だって、地球へ戻った時の姿が凄く可愛くて、普段表情を表に出さない子があんなに慌ててたのを見ていいなぁと思ったから。

 記憶を失ったと聞いて、悲しくなった。だけど、ある意味であの子の素を見れるんじゃないかと、期待もした。酷い奴だと思われるかもしれないけれど。

 だから――、目を合わせて笑いかけたくれたあの顔は、私にとっては忘れられない顔だった。
 無邪気を装って、何かを腹に抱えたそんな顔。瞳の奥に見えた。見えてしまった。
 あの目を私は知っている。小さい頃に嫌というほど見たから。

 恐らく記憶が無いのも嘘だろう。そして、流の姿を被ったこいつが何をしようとしているのか分からなくて。調べようと思っても、今の私では調べられない。だから、昨日封印した場所……訓練スペースのデータログを展開した。

 そして、見つける。キャロが封印処理を行なった時、ほんの僅か、ロストロギア自体が魔力を……いや、何かを照射したことを。その対象が流に向かったことを。
 ほんの一瞬の、ほんの僅かな照射。周囲に魔力が溢れてたあの状態ならば気づく人は居なかった。私自身、響が言っていた鏡がどうとかそういう話を聞いてなければ、こんな事考えなかった。恐らくこの時に何かが侵入したか、乗り移ったか。それはまだ分からない。

 だが、まだ情報が足りなさすぎる。今のままではまだ、私の思い違いの可能性のほうが高いと判断される。事実このログだって、誤差だと言われれば、まだ反論できない。

 なんて考えたら、ご飯食べようと連絡が入る。食堂で食べるかどうしようかと悩んでたら、響が二人分を持って行くのが見えて、そっちについていくことに。スバルやティアが食べようと言ってくれたけど、今の流と一緒に食べる気はしなかった。
 そして、響達とご飯を食べて、食事トレイを下げに行った時、はっきり見えた。いつの間にかヴィヴィオちゃんと仲良くなった流が一瞬見せた、あの顔を。

 普段からは到底考えられないような歪んだ笑みを。

 直ぐに跡を追った。そして、訓練スペースの近くに行った時に、それは分かった。明らかな悪意を。気持ちの悪い魔力を。未だに気づいていないヴィヴィオに手を伸ばした時、直ぐにザフィーラさんが動いて、ヴィヴィオちゃんを保護。
 確保に失敗したと判断するや、見たこと無いベルカ式の術で、結界を張った。張ったとほぼ同時に内部へ突入する。並行してザフィーラさんがヴィヴィオの服の襟を加えて全力で後退した。

 そして。

「……震離お姉さん? 何故ここに?」

「勘」

 相対した。




――side響――



 デバイスルームを飛び出して、外へ通ずる非常口を目指す。こんな近距離
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ