暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第33話 大好きな6色、嫌いな1色
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少しだよ。


――side響――

 
「中に震離が入ってる?! なんで!?」

 黒い結界から少し離れた地点で、ロングアーチからの報告を受けて反射的に怒鳴ってしまう。モニターの向こうで顔を顰める時雨。
 やっちまったなんて思いつつ、視線を周囲に向けると、ティア達もなんとも言えない表情をしている。

『知らんがな。訓練スペースの付近のログ漁ったら、ザッフィーさんと入れ違いで入ったっていうのを確認したけど、それ以上はまだわからないよ』

「……まじかよ。中の様子は?」

『そうだねー。スペースの一部を結界が入ってるから……今紗雪と優夜がなんとか内部観測を……え?』

 話している途中にも顔を横に向けた。なんだろうと考えていると。突然に空が薄暗くなった。
 自然に首が上を向き、空を見上げる形になる。すると、結界の更に上空にシャマル先生の姿が見えた。なるほど、こうして隠せば言い訳が立つ訳だ。
 空で待機していたなのはさんとフェイトさんが、シャマル先生の元へ集まった。恐らくこの後の対応について検討してるんだろう。

『ロングアーチより各員へ。内部の映像の獲得に成功、直ぐに出します。ただし、音声までは獲得出来ませんでした申し訳ない』

「了解。映像くれ」

 そう言うと直ぐに内部の映像が映し出さ、ノイズで画面が乱れつつも、徐々に落ち着いて、そして…‥。

『「は?」』

 誰が言ったのか分からない、通信の向こうからかも知れないし、自分の声かもしれない。だけど、それでも言えるのが。

 モニターの向こうに映る震離の姿に衝撃を受けた。

 顔の至る所から血を流して、真っ直ぐ流を抑えようと相対する震離の姿を。

 ノイズが混じって映像はブレているけれど、目からは血涙が流れ、瞳は紅く染まり。鼻血もずっと流れているようにも見える。両手の甲には違う色の魔法陣を。濃い青と薄い青の魔法陣。そして、背中には今にも消え入りそうな黄色を中心に、赤、緑、白、黒の4色の魔法陣が回っている。しかも白と黒の魔法陣はベルカ式で、他の5色はミッド式ということもあって、とても歪に見える。

 対して流の方は。何かを叫んでるように見えたかと思えば、突然腹部を抑え、痛そうにしている。そして、再び震離を睨みつけながら何かを叫んでいた。

「時雨。これより前の映像は取れるか?」

『……試してるけど。無いと思って。それで? あれは何?』

「……すまない。俺も分からない。そもそも震離が素手で戦うことに違和感しか無いんだ」

 実際、あり得ない……ということは無いが、震離が素手で戦おうとしていることに驚きしか無い。杖を使った射撃戦。杖に魔力刃を取り付け斬り合うことはあっても、今のような素手で戦おうなんて今までしなかった。な
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