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魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第33話 大好きな6色、嫌いな1色
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 届くよりも先に、黒い盾に阻まれる。当然だ、が。

「……ぅぐ!?」

 盾を置いたにも関わらず衝撃でアイツが吹き飛ぶ。だが、打点がずれたらしく、右肩を抑えつつ空で体制を整えながら。

「奔れ!」

 アイツが持つ右の刀の切っ先から収束砲が放たれる。だが。

「な?! ずれっ……?! だが!」

 僅かにずれる砲撃を連射してくるのを、右の(ヴァイス)で受けずらす。まだアイツに当てていない以上、ただの固い魔法陣だ。今は。それに当たらないのなら無理にどかさなくていい。私が成すことは、射線をほんの僅かにずらせばいい。
 一瞬にして、質より量の連続砲撃……いや、射撃をずらし、距離を詰める。その間に左の黒《シュバルツ》の用意を進めて。

 ――あと少し!

 そう思うよりも先に。僅かにアイツの顔に歪んだ笑みを見た。

「弾けろ!」

 瞬間、切っ先から放たれた射撃が弾けるように拡散。だけどね。

「視線へ、藍色(ドゥンケルブラウ)!」

 瞬時に背後に出現していた、藍色の魔法陣が目の前に現れ盾となる。同時に、左の甲の魔法陣が藍色に変わり――

「そのまま砕け、藍色(ドゥンケルブラウ)!」

 盾に罅が入りながらも、魔法陣が輝くと同時に、アイツの右の刀の刀身が凍らせる、が。瞬時に手放し、爆発、そのまま爆煙に紛れつつ、私から離れようとする。だが、藍色も僅かに掠った(・・・)のは確認済みだ。形はどうあれ、これで二発目(・・・)だ。

 爆煙の中で僅かに光が見えた。だけど、それはね!

「寄せろ、(シュバルツ)!」

 右手に移した黒の魔法陣が鈍く輝く。煙の中から光は既に消えて、そのかわりに煙を突き破る様に、右肩を中心にアイツが引っ張られてきた。その顔が驚愕に染まっているのを無視して、すかさず左手の魔法陣を緑に変えて。

「撫でなさい。(グリューン)!」

 魔力で風を圧縮し、その塊を左の掌打と共に腹部へ叩き込み、弾いた様に飛んでいく、が海面すれすれでアイツは踏み留まる。これでやっと一撃。だけど、黒は再装填が必要。藍色の効果も直に終わる。

 それに――

「……貴様。これはどういう事だ?」

 ガクガクと震える左手で腹部を抑えながら、こちらを睨みつける。やはり――いや、予定調和だ。その上で私は次の作戦をねらないといけない。

 最低でも、もう一度藍色を、そして水色。可能ならば白を打ち込まないと。きっちり入れたんだ。後10分。いや約9分。それまでに、二撃入れなければ、それがリミットだ。
 警戒されている以上。もう一度初めからやり直しなんて不可能だ。黒色の内容は間違いなくバレた。恐らく展開した時点で警戒されるだろう。
 だが、それよりも、だ。

「……フフフ
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