純粋なお遊び
合縁奇縁のコンサート 26
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られても嬉しくはない笑顔に再度頭を下げつつ、大急ぎで第一補佐の仮面を被り直す。
今日だけでどれだけ評価を下方修正されてしまったか。せめて現時点より低くならないように気を引き締め直さなくては。
うぅ……胃が痛いぃー……。
「いや、あの、説明くらいはしてくんないかな? いきなり叫んでいきなり謝られても、コッチは何が何だかさっぱりなんだけど……」
つと、室内をぐるりと見回したロザリア様が訝しげな目で私を見据えた。
はい、すみません。ごもっともです。
「えぇと、実は」
「其処に鳥が居るだろ?」
「「鳥?」」
説明しようとする私を遮って、お父様が小鳥を指した。
ロザリア様とクロスツェルさんが同時に指の先を見遣り、いまだ絨毯に埋もれている小鳥と目を合わせる。
「その鳥は堕天使なんだとさ。自称だけど」
「は? 堕天使って……本物の神か? 今はこの世界を離れて爆睡してる連中の、元・仲間ってヤツ?」
『そうだ』
「っうわ!? 喋った!? 鳥が!?」
「これは……」
ビクンと跳ね上がるロザリア様の肩と、見開かれたクロスツェルさんの両目。
ですよね? そうなりますよね? 驚いた私がおかしいんじゃないですよね?
『私の名はアオイデー。お前の母・マリアが属する天神の一族、代々の巫が仕えていた神々の内の一柱にして音を司る女神。現在は神々と道を違えて人知れず人間世界を見守っている女神だ』
「この声……これが鳥の力なのか? 左右から同時に話し掛けられてるみたいで気持ち悪ぃ。女神とか言われても鳥にしか見えないし……変なの」
『気持ち悪いとは失礼な。鳥は仮の姿だ!』
「おぅっ!?」
小鳥……アオイデーさん? が勢いよくぱたたっと羽ばたき、ロザリア様に向かって飛んで行く。
『お前には見えていなかっただろうが、私は過去にもお前と会っているぞ。厳密に言えばロザリアではなく、悪魔狩りに勤しんでいたアリアのほうと、だが』
「へ?」
身構えたロザリア様の周りを一周した後、白金色の前頭部にすとんと降り立つアオイデーさん。
私にもああやって乗ってたのかな。全然気付かなかったけど……
……あれ?
なんだろう……鳥とか声とか気付かないとか、妙な既視感が。
『アリアシエルの一番都市リウメ。お前を祀る主神殿の下で眠る者の記憶はあるか?』
「アリアシエル? 主神殿って……」
鳥そのものの仕草で顔を覗き込まれたロザリア様が、狼狽えながらも何やら考え込み……心当たりを弾き出した。
「もしかして、この女悪魔の話か? 物凄く強い力を持ってたけど、特に何かやってた訳でもないから放置しようとしてたのに、自分から封印してくれってアリアに話し掛けてきた……」
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