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神様が親切すぎて夜に眠れない
七話→玄人とエ・ランテルA
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体は『跳ねた』

そう、身の丈、体格共に成人男性平均と遜色ない盗賊達。

彼らは、次々と腹部に押し当てられた強力な掌底により地面から足を強制的に離され、ゴム鞠のように周囲の木々に叩きつけられていく。

無論、そんな真似をさせられれば、全身打撲で身動きはとれない。

(うーん、やりすぎたかな?加減が難しいや)

玄人の思惑はともかく、次々と吹き飛んでいく、山賊達。

当たり前の話だが、本当に困っていたのは、盗賊側である。

簡単な、いつもの、よくある稼ぎだったはずだ。

適当に脅して金銭を奪うだけの、簡単なルーチンワーク。

なのに、現実は違う。

気づけば、此方は後衛二人のみ。

他は全て、両手のみで木々ごと、薙ぎ倒されていた。

おかしい、私達は念を入れて、王国に巣食う『八本指』から情報を仕入れてまでここを獲物にしたのに。

とにかく、逃げなければ。

冷や汗をかきながらも後ずさる二人を見て、にっこり笑って玄人は宣言した。

「安心して!美人は殺したりしないから!…………逃がしもしないけどね…………」

無意識に、二人の頬を、冷や汗が伝った。


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