暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第29話 距離を詰めて、預かり物の封印を
[10/14]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
 ホントに少ない。段ボール4個だけって……。しかも1つ冷たいし。冷蔵かな? 俺もそんなに物持ってないつもりだったけど、それでも8個くらいあったし。
 とりあえず、それを全部運んで、それぞれ部屋に片づける。旧流の部屋の鍵は明日にでも返してくれたらいいと言われてるし。

 さて、と。

「とりあえず、以上かな」

「えぇ、ありがとうございます」

 片づけ終わって、それぞれ椅子に向かい合う。いや、やっぱ誰かいるのっていいね。

「これから宜しくお願いします」

「此方こそ」

 互いに頭を下げる。こういう事ってしっかりしないといけないし。顔を見上げた時に、心なしか嬉しそうに見えたのは間違いではないと思う。

「じゃあ、ご飯でも食べに行くか」

「あ、いえ。せっかくなので作りましょうか? 日本食」

 上着を持って外へ行こうとする体が止まる。今なんて? 日本? 日本食?

「……マジで?」

「えぇ、材料は食堂の方からちゃんと購入していますので。ただお口に合うかどうか、それが問題ですけれど」

「……お願いします!」

「わかりました、豚汁を作るのですが、ご飯とおうどん。どちらで食べますか?」

 なん……だと……? さも当然の様に、二択を出しやがる……。やばい。話聞いただけでお腹空いてきた。

「……見てから決めても?」

「良いですよ。そうですね……一時間……かからないとは思いますが、お暇だと思うので何か時間を潰しててください」

 そういって、今まで使われたことのない簡易キッチンへ向かい、冷たい段ボールから食材を取り出す。
 なるほど、だからキッチンの方に段ボール二つも置いてたのか。そうすると、もう一つはお皿とか包丁とか入ってる箱か。道理で重いわーと思った訳だ。
 しかもよく見ると、ビンにソースが入ってる。あれ、手作りかな?
 なんて考えてると、いつの間にか今日使うであろう食材を並べ、包丁を取り出し、心地よい音と共に野菜を刻み、肉を刻み、まずは野菜を鍋へと投入。箱からボトルを取り出して、それも鍋へと入れる。
 水の代わりかな? と考えたがふわりと薫るにおいでそれが昆布を使った出汁だというのが分かった。

 火を点け、煮つくまでに蓋を閉じる。今度は箱から土鍋を一つ取り出して、空いたコンロの上に置いた。
 そして、台所へ戻り、米をとぎ始める。リズムよく一定の間隔で。研ぎ終えた米を土鍋へいれ、水を入れて火をつけ、中火程度にしたのを確認してから蓋を閉じる。

 そうすると豚汁の方がちょうどよく沸騰を始めた。そこにまだ入れてなかった食材を投入し、火が通るまで均等にかき混ぜる。
 少し離れているここにまで良い香りがする。

 って、違う!

 ご飯作ってもらってるのに、
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ