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魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第29話 距離を詰めて、預かり物の封印を
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お願いする。
 小さく頷いた後、なのはさん達と一緒に行った。

「さて、やるか」

「……はーい」

 不服さ全開な震離と一緒に点検を始める。いつもなら待機状態で済ませる時もあるけど、今日は完全オフ。午後に封印を回した関係で点けていたけれど、殆どの機能はオフのままだ。
 二人で変な事になっていないか確認して最後に電源も落として確認作業を終える。

 終わったと同時に行こうとする震離を横目に。

「で、なんで流を避けてんのさ?」

「……」

 ぴくりと、体が震えた。普通なら無視して行きそうなもんなのに、この子は立ち止まってくれた。やっぱり、昔から変わらんね。
 くるっとこちらに振り向いて。

「……やっぱわかる?」

「バレバレだ、ばーか」

 顔を見合わせて、笑いあう。ほんと変わらんね。


 ――――



「で、距離をとった理由は?」

 隊舎のそばのベンチに座りながら隣の震離に話しかける。ピシッときれいな姿勢で座る姿は中々かっこいい。普段からこれくらいしてくれたらいいんだけどね。

「……誰にも言わないでね?」

「約束する」

 ホッとする吐息が聞こえた。

「流が盾になった時。はっきり聞こえたんだ。私には盾になるしか出来ないからって」

 顔は見えない。だけど、まだ声は震えてない。

「そんなことないって否定する間もなく。砲撃が飛んできて、そのまま直撃。抱き抱えた時一発で分かった。危ないって、命が無くなるようなそんな感じが」

 徐々に震え始める。だけど、まだ口は挟まない。

「慌てて離脱して、治癒魔法掛けたけれど……動揺を抑えきれなくて、うまくいかなくて。
 だけど、その後さ、シャマル先生と合流して治癒を施してもらって。病院にいた時には大分治ってた。だけど、だけど」

 声が震えてる。

「……そんなに早く治る怪我ではなかった。そして、すぐに起き上がれるような状態でもなかった。そうだね?」

「……うん」

 隣に座ってるから顔は見えない。

「……それを見て怖くなった?」

「……ち……がう゛。よがったって。死な……なくて、良かったって」

「だけど、自分を犠牲にしようとした流を許せなかった。そうだな?」

「……う゛ん」

 一生懸命に声を隠して、震える声を抑えようとしてる。立ち上がって震離の前へ立つ。顔を抑え、泣いてるのを見えないようにしている。その頭を優しく撫でる。
 昔とは立場も性格も何もかも変わった。子供の頃。一番手がかかったのもある意味では震離が一番だった。同時に誰よりも付き合いが長い。だからこそよくわかる。この子がどうしていいのか迷っていることを。だから、俺がすべき事は。

「なら、流にちゃ
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