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ドリトル先生と姫路城のお姫様
第十幕その十二

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「それでもね」
「武士同士だね」
「武士同士の戦いで」
「誰彼なしじゃなかったんだね」
「そうだよ、芹沢鴨の商家の焼き討ちもね」
 この事件もというのです。
「実際は大砲を持ち出していなくてね」
「あっ、ドラマとかじゃ大砲出してるけれど」
「それで撃っていないんだ」
「事前に焼き討ちするって周りに知らせて防火対策もしてね」
 そうしたことまでしてというのです。
「焼き討ちにしてるから」
「じゃあ人を殺さない様にはしていたんだ」
「焼き討ちといっても」
「そうした配慮をしていたのね」
「そもそも評判がよくない店だったみたいだしね」
 芹沢鴨が焼き討ちをしたお店はです。
「その時はそんなに非道とは思われなかったそうだよ」
「意外ね」
「芹沢鴨さんって色々言われてるけれど」
「そうした配慮もしていたんだ」
「町人の人達の命は取らなかったんだ」
「確かに酒乱の気があったけれど」
 このことはどうも事実らしいにしてもというのです。
「武士であったことは間違いないね」
「身分だけでなく考えも」
「それでそこはちゃんとしていて」
「後の新選組の人達もそうだったのね」
「そして志士の人達も」
「都の町人の人達は怯えていても」
 自分達が住んでいる街でそれこそ常に殺し合いが行われていてです、それで怖くならない筈がありません。
「そこはしっかりしていてね」
「町人の人達には手出ししない」
「それが武士だったんだね」
「それで城下町も戦になれば逃げる」
「戦が終わってからまた街を建てていたんだ」
「それで終わりだったよ、街の再建には苦労しても」
 戦で焼け野原になった場所を蘇らせることはです。
「それでもね」
「生きていれば違うからね」
「人が生きていたら」
「街はまた再建出来ても」
「人はいなくなったら終わりだから」
「その分ずっとましだね、他の地域の城塞都市での戦いを思うと」
 こうも言う先生でした。
「日本のお城はそこも独特だね」
「そうだね」
「じゃあこれからはね」
「そうしたことも考えて」
「日本のお城のことを学んでいくのね」
「そうしていこうね」
 先生は皆に笑顔でお話しました、そのうえでさらに学んでいくのでした。
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