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人類種の天敵が一年戦争に介入しました
第22話
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の悪気の無さよ! 悪いと知っていて悪びれないよりタチが悪い。何しろ本人は、全く、これっぽっちも悪いと思っていないのだ。玄関が開いていなかったから勝手口を使いました、というノリで壁をぶち抜き、輸送機が堕ちるかどうかという瀬戸際で昨日見たお笑いの復習をする。頭の中身がどうなっているのか気になるが、多分、どうせ、人を殺すことと街を焼くこと以外に何も考えていないのだろう。


「全ッ然笑えないんで! まず空気読もう!」
「私には無理だな」
「でしょうね! もうさっさと出て行ってください! こちらも離脱します!」
「はいはい。シリエジオ、出撃する!」

 散々やりたい放題言いたい放題やらかすと、野良犬の愛機は輸送機の横腹から空に飛び出した。

 数時間後。

 ニューヤーク防衛部隊は壊滅し、ジオン公国は地球連邦の首都を占拠した。ガルマの搭乗していたザクの頭部は野良犬に吹き飛ばされたが、ガルマ自身は軽傷で済んだ。更に野良犬の機体に攻撃を命中させるという快挙を成し遂げた。後に規制が解除されリリアナや野良犬によるヨーロッパの被害情報が出回ると、ガルマ・ザビは死神を退けた男として地球市民から絶大な支持を集めることになる。

 なお、北米攻略作戦と同時期に、ジオン公国軍欧州方面軍は接収した大型輸送機の試験飛行を実施。同機は帰投途中に北アフリカ上空で空中分解して洋上に墜落したが搭乗員は全員が脱出に成功したと、ニューヤーク制圧の大勝利の陰に隠れるようにひっそりと発表された。
 幸運にも無事生還した乗組員達だったが、彼等の多くは生きて終戦を迎えることはなかった。戦争では珍しくもない話であるが、その裏でジオンの骨董屋が暗躍していたことは知られていない。
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