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人類種の天敵が一年戦争に介入しました
第22話
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部だけとすら噂されていたほどだ。これは極端な例であるし、リンクスの殆どは人間を辞めたなどと意識したこともないが、この世界の普通の人間がリンクスの詳細を知ったとき、リンクスを自分達と同じ人間だと判断するかは微妙だ。おそらく人間扱いしないだろう、という自嘲を込めた野良犬の言葉だったが、リンクスを知らないレンチェフには通じない。

「……とにかく団長、なんであれ、ガルマ様をチョンパしていい理由はねぇんだよ」
「でも実際、私はガルマ大佐がどこにいるかも知らないんだ。適当に攻撃したら大当たりという可能性だってある」
「なぜそこで誤射をなくそうという話にならないのか、これがわからない」

 フェーズ3の最大の難関はまさにそこだった。今回の作戦はマ・クベ中将からの緊急の依頼であって、救援先のガルマ・ザビ大佐には知らされていない。知らせようにも既に地球連邦軍との間には戦端が開かれており、第二次降下作戦の司令部とは電波妨害や地形、気象等々の要因から連絡がとれなくなっている。
 もし前線が乱戦になっていたら、もしガルマ・ザビ大佐が前線で指揮していたら、そこに異次元の強さを誇るアンノウンが現れ、アンノウンが攻撃されて咄嗟に反撃した場合……万に一つの考えたくもない事態が起こる可能性はゼロではない。

 第二次降下作戦開始直後、諜報員から当該戦域の連邦軍の戦力は10倍超という情報が伝えられた。結局それは誤報であり、連邦軍が被災地の救助等に分散した結果、実際は約5倍だったのだが、それでもルウム戦役どころではない戦力差となる。既に部隊の降下は開始されていた為にジオン公国軍首脳部はパニックに陥ったが、そこで支援を申し出たのが第一次降下作戦の責任者、地球侵攻軍総司令官のマ・クベ中将だ。

「現地の武装勢力を組み込んだことで、アジア、インド方面の戦力に余裕があります。再編中の部隊を打ち上げ、北米に再突入させましょう。現在進行中のガルマ大佐の率いる降下部隊第一陣には間に合いませんが、第二陣の到着前に戦線投入が可能な筈です」

 可能な限りの戦力を投下するため、HLVに人員や装備を積載限界を越えて詰めるだけ詰め込む。限界を越えた分の帳尻を合わせるには燃料を減らす他はなく、燃料を減らせば再突入に必要な分のエネルギーを確保出来ない。不足分のエネルギーは軌道上で待機している艦隊から補給を受けて再突入するという、泥縄式の戦力投入である。泥縄式とて、いや、だからこそ、作戦の支援は万全が期された。打ち上げる戦力はマ・クベ中将の地球侵攻軍、軌道上で補給と補充を行うのはキシリア・ザビ少将の突撃機動軍、宙域の護衛はドズル・ザビ中将の宇宙攻撃軍と、ジオン公国の総力を挙げた降下作戦となったのだ。ギレン・ザビ総帥の親衛隊や本土防衛隊は出来ることがないので画面越しに応援となる。
 ほぼオールジオ
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