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最も相応しい生贄
第二章

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「それで、です」
「そうか、俺を憐れんでか」
「いえ、よく首だけになられても」
「生きているとか」
「そう思ってです」
「知れたこと、この世で最も立派な者をだ」
 フン=フナフプはシュキックにも話した。
「神の生贄にする為にだ」
「まだですか」
「生きている、俺は女に子を産ませてだ」
 それでというのだ。
「その子にだ」
「神の生贄をですか」
「捧げさせる」
 この世で最も立派なものにというのだ。
 そしてだ、彼はシュキックにあらためて話した。
「若しお前が俺の考えに頷くならだ」
「それならですか」
「一瞬で済む」
 ほんのそれでというのだ。
「それでな、だから手を出せ」
「手をですか」
「最初に見てお前ならと思っていたしな」
「そういえば先程」
「そうだ、ではだ」
 あらためてシュキックに言うのだった。
「お前のその手の平に今から唾を吐く」
「そうしてですね」
「お前に子を産ませる」
 そうすると言うのだった。
「そしてだ」
「その子達がですか」
「最も立派な生贄を捧げるのだ」
「そうなりますか」
「そうしてよいか、そなたが生む俺の子はだ」
 フン=フナフプはさらに言った。
「二人だ、その二人はそなたからすぐに生まれて勝手に育ち」
「そうしてですか」
「偉大な存在になりだ」
 そしてというのだ。
「必ずそうする、ではいいか」
「すぐに生まれて勝手に育つのですね」
「そなたが為すことは生むだけだ」
 今すぐにというのだ。
「困ることはない」
「それでは」
 シュキックも頷いた、元々彼に同情することもあって。
 彼が吐いた唾を手の平で受けた、すると実際に腹が瞬く間に大きくなってだった。二人の赤子を生んだが赤子達は見る見るうちに大きくなり。
 そしてだ、両親に対して話した。
「では俺達はこれからだ」
「最も立派な生贄を捧げてみせよう」
「頼んだぞ」
 フン=フナフプは二人の子達にも告げた、こうしてだった。
 二人の子達は日に日に成長していき様々なことを学んでいった、ここで兄はフナフプ弟はシュバランケと名乗った。
 二人は兄弟喧嘩やこの世界を自らのものにしようとした金色の身体を持つ巨人やその息子達を倒しつつだった。
 自分達の力を磨いていった、そしてだった。
 ある日家で一匹の鼠からこうしたことを話された。
「お父上のことですが」
「まだ首だけで吊るされているな」
「冥府シバルバーに」
 二人は既に立派な身体と顔を持つ青年に育っていた、兄の身体は眩き輝き弟の身体は穏やかに輝いている。
 その二人がだ、鼠の話を聞いて応えていた。
「そうだな」
「何時かお助けするが」
「そのお父上の持たれていた」
 鼠は二人にさらに話した。
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