第四章
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「余計に目立ってるわよ」
「そ、そうなの?」
「オーラみたいだけれど」
「いや、これはね」
「これは?」
「まあ中に入ってね」
家の中にとだ、衣吹の方から話した。
「お話しましょう」
「それじゃあね」
由香も頷いてだった、そのうえで詳しく話したが。
由香は衣吹の少女趣味が強い部屋の中で出してもらったよく冷えた麦茶と水羊羹を食べつつだ、自分と同じものを食べている彼女に言った。
「そのせいでなのね」
「うん、脱毛クリームがなくて」
衣吹も飲んで食べつつ由香に話した。
「それでね」
「毛を誤魔化す為になのね」
「毛染め使ったの」
ブロンドのそれをというのだ。
「そうしたけれど」
「訳はわかったわ」
「どうかしら」
「正直駄目ね」
由香は衣吹に冷めた目で答えた。
「毛がない様に見えるけれど」
「そっれでもあるものはあってなのね」
「そう、光ってね」
「金髪って光るからね」
「それが悪目立ちして」
そうなっていてというのだ。
「よくないわよ」
「誤魔化しになってないの」
「暗がりならいいけれど」
その時はというのだ。
「けれど少しでも明るいとね」
「さっきの玄関みたいにお日様が差し込んでもなのね」
「すぐに光るから」
ブロンドはというのだ。
「だからね」
「よくないのね」
「そう、だから衣吹ちゃんはね」
「脱毛が一番っていうのね」
「それか剃るか」
「剃るの駄目になったの」
このこともだ、衣吹は由香に話した。
「剃刀は危ないってお母さんが言って」
「それでなの」
「脱毛クリームだけになったけれど」
「それが切らしてたとか」
「わかるの?」
「それかって思ったらその通りだったのね」
「うん、それで誤魔化しでやったら」
毛を金色に染めたというのだ。
「失敗だったのね」
「お家の中ならともかくね」
「学校に行く時とかは」
「しない方がいいわよ」
「わかったわ、じゃあ今日お母さんがクリーム買ってきてくれるから」
脱毛のそれをだ。
「今日の夜に塗って」
「それでよね」
「奇麗にするわ」
「それがいいわね」
「いや、しかしね」
由香との話が一段落してだった、衣吹はお茶を一口飲んでからあらためて話した。
「身だしなみって大変ね」
「何かとね」
「毛のことはね」
「いや、しかしかなり光ってたから」
金色にとだ、由香は衣吹に応えて述べた。衣吹の部屋の卓を囲んで飲み食いしつつ。
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